小説
□ケガの功名
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「ありがとう、エステル」
ジュディスは木にもたれ掛かりエステルに治癒術をかけてもらっていた
「いえ……でも、傷が深くて治癒術では限界があります……どこか町に寄らないと…」
ジュディスに治癒術をかけ終えたエステルが言った
するとパティが
「ダークボトルの効果がようやく切れたぞっ!!!」
と、叫んだ
「おっ、これなら出発できそうね」
「けど、ジュディスを歩かせるわけにはいかないよ」
カロルが現実を告げるとユーリが
「俺がジュディをおぶる」
「………煤\!?」
「這狽ヲええっ!!!?」
この台詞にはジュディスも仲間達も驚いた
普段めんどくさい事は全くと言っていい程しない彼が率先して申し出たからだ
「なに驚いてんだよ。俺がジュディをおぶれば問題ないだろ」
ユーリは平然と言い切ってみせた
「ええーーっ!?青年ばかりおいしい役ズールーイィー…!!」
レイヴンが子供のように駄々をこねた
「……レイヴン」
カロルが彼を蔑むような目で見ていた
「おっさんは俺の代わりに先頭を歩けばいいだろ?」
するとレイヴンの瞳が少年のように輝き
「買}ジでか!?おっさんやっちゃうよぉっ!!!」
「どうしたんですかレイヴン……!?急にやる気になって……」
エステルが意外そうに聞くと
レイヴンがキリッとしたうさん臭い声で
「仲間を引き連れて集団の先頭を歩くのは、男のロマンよ!!」
「なにそれ」
「まだまだ尻の青いリタっちにはわかんないわよ」
「とおっ!!!!」
「狽ヤほぉっ!!!?」
レイヴンがリタに軽口を叩くと即座に彼女の鉄拳制裁が彼の顔面を直撃する
「じゃあおっさん、先頭は任せるぜ?」
「…り…りょ…かい…」
レイヴンは力尽きるようにその場に倒れ伏した
「俺とジュディは戦闘には参加しねぇから、魔物が現れたら頼むぜ」
「任せるのじゃ!!!」