小説

□ストライク・ザ・チアリーディング
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古城「うおっ、あっ!」パシッ


浅葱「ちょっと何やってんの!」


間髪入れずに相手のスマッシュがコートに叩き込まれる


審判「試合終了!」


結果は惨敗


古城が素人同然

加えて、相手が元バドミントン部だったこともあり

ほぼ一方的に圧倒されてしまった


浅葱「ああもう!古城って運動神経いいはずでしょー?なのに動きガチガチって何よー」


古城「いや俺よりも今回は相手が悪かっただろ。経験者禁止の球技大会で元バドミントン経験者出されたら、素人の身としては打つ手無いって」


俺の場合は全力で動けないし、と心内で付け加える古城


浅葱「まあ、、正直桁違いの強さだったしね」


古城「ああ。後は他の連中が勝ち上がってくれることを祈ろうぜ」


浅葱「そうね。じゃ私着替えてくるから」


古城「おう」


浅葱が体育館から出るとほぼ同時に、1人の男子生徒が古城に駆け寄ってきた


矢瀬「うっす古城。お疲れさん」


古城「矢瀬。バスケの方はどうしたんだ?もう試合やってんじゃねーのか?」


矢瀬「あー……それなんだが…」


矢瀬は言いにくそうに苦笑して、顔の前でパンっと合掌した


矢瀬「ワリィ古城!実はバスケのメンバーの1人が試合中に怪我しちまって、人数が足りねーんだ。頼まれてくんねーか!?」


古城「………あー」



本来なら面倒くさいし、バスケを自分の過失でやめてしまった身としては断りたいのだが…

矢瀬はその辺りの古城の過去も知っている

だから苦々しく頼んでいるのだろう


よほど他の手が足りてない状況らしい


古城「別にいいぞ。出るだけなら」


矢瀬「すまねえ!助かるぜ古城!じゃ急いでゼッケン着けて、第二体育館にきてくれ」


矢瀬が投げてきたオレンジ色に4 の数字が入ったゼッケンをキャッチする


矢瀬「ちょいと押され気味でな、早く行かねえと負け確定になるかもなんだよ」タッタッタ


古城「わかったわかった」ゴソゴソ


矢瀬と古城は急いで第二体育館に走った














凪沙「ありゃ?ここには古城君いないね」


その古城達とまたしても入れ替わりに入ってきたのは雪菜達3人のチアリーダー


どよどよと周囲がざわめき、男子からは歓喜の声が上がる


雪菜「もう試合終わってしまったんでしょうか…」


雪菜もきょろきょろと辺りを見渡すが、古城らしい人は見当たらない


夏音「2人とも、こっちでした」


トーナメント戦の進行状況が記された掲示板を見ていた夏音が凪沙と雪菜を呼ぶ


凪沙「あっ!古城君ってば負けてる!も〜浅葱ちゃんとペア組んでて不甲斐ないなあ」


雪菜「あはは……」


吸血鬼だし、スポーツでも本気でやればやり過ぎて問題になる可能性がある

と雪菜は心の中で思う


凪沙「もう帰っちゃったのかなー?」



すると周囲が少し騒がしくなった


生徒「おい!今第二のバスケ面白いことになってるってよ!飛び入りの男子が大活躍してるらしい!」


生徒「そうなのか?じゃ、ちょっと見に行ってみるか」



などなど

次から次へと移動を始める生徒達


雪菜「バスケ……飛び入り……まさか…!?」


凪沙「きっと古城君だよっ!私達もいくよ、雪菜ちゃん!かのちゃん!」


夏音「はいでした」


雪菜「え、あ、はいっ」



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