【ただいま】

□浜辺の中
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やっぱ海は気持ちいいなァ。
ビーチバレーボール?
何それ、おいしいの?



【ただいま】



「とゆーワケで今日は、パプワ島男潮ビーチバレーボール大会を開催するぞー!」
「わーいv」


今日は浜辺に来た。
ビーチバレーの大会があるのらしい。
話によると、この大会は生死をかけた闘いだそうだ。
ビーチバレーで命を賭けるのもどうかと思うんだが…。


「「じゃッ、頑張れよ家政婦」」
「お腹痛いです」


仮病でバレーをやらないでおこうという魂胆なのだろう。

お前は子供かッ。
ハリネズミが何だ!それは気合いで頑張れ!
そう思ったが、口には出さないようにした。


「俺は家事で忙しいんだから、スポーツやってるヒマはねーんだよッ」


リキッドはパプワに抗議した。
が、パプワが優勝賞品がクボタくんの卵だというと即座に受付へ走って行った。
本当にあいつは主夫の鑑だよ。


「アレク、お前一緒にやらねぇか?」


どうやら2人ペアで出なくてはいけないらしい。
無論、俺は断った。
日焼けするから嫌だし、めんどくさい。


「そんな理由でやらねェんならメシ抜きにすっぞ」
『応援するからメシはやめて下さいよ〜』
「誰の所為で家計が忙しくなってんだと思ってんだ?」
『俺ですね。わかります』


さわやかな笑顔で言ってやった。
ザマあみろ。


「じゃあやれよ」
『だが断る』


やれやらないの口論が続いたその時、ウマ子が登場した。


「リッちゃーんv 女子中時代のブルマーで、ウマ子参戦じゃぁああ〜ツ!!!」


悩☆殺!
ブルマー姿ああああッツツ!!!

俺に100のダメージ!!
心の急所に痛恨的な一撃!
リキッドは50万のダメージを受けた!!


「埋もれろッツツ!!!」


リキッドの渾身の蹴り!
ウマ子は悲痛な声をあげた。
そしてパプワたちに動きを封じられた。


「とにかく俺とバレーやれよッ」
『肩掴まないで下さーい。ウマ子助けてー』
「ばッ馬鹿!ウマ子を呼ぶな!」
「ご法度ーーー!」


声は聞こえたのだが、砂に埋まっているせいで助けてくれない。
惜しい。


「それならよぉ…俺と組まねーか?」
「褌侍ッツ!!!」


そこで現れたのは、トシだった。
リキッドとバレーをしたいと申し込んできたのだ。

ウマ子は生首だから参戦できないし、ソージは肌が弱いからという理由でアウト。
近藤さんにいたってはすでにダメだから、トシはリキッドに頼んだのらしい。

それにしても…。


『さすがジャパニーズ。褌が輝いてるな』
「褌は日本の水着だ」
『マジでッ?ジャパニーズサムライはやっぱすげえなッ!』
「んなワケねーだろ」


リキッドのツッコミがなかったら、俺は信じていたかもしれない…。


『よし、リキッド。御厚意に甘えて、トシとバレーをやれ』
「てめーはやりたくねェだけだろ」
『やりたくないわけでもないわけがない』
「まぎらわしい言い方すんなよ」
『じゃあ、やりたくない』
「露骨すぎだ」


こうして、大会は幕を開けた。

最初の相手はイトウとタンノだった。
だが、電流300万ボルトのネットに体当たりしてしまい、棄権。

2回戦目はコモロとオショウダニという最悪なチームだ。
胞子飛ばしてるよ…絶対殺る気だ。

試合はリキッドのサーブから始まった。
オショウダニがそれを返すと、リキッドの顔にクリーンヒット。
家計の為に頑張るリキッドの姿はまさに主夫の鑑だった。

オショウダニのサーブ。
リキッドが返そうとするが、コモロの素敵ブロック!
そしてリキッドは堕ちた。
次はトシを堕とすつもりなのか、ボールの胞子を振りかけ、そしてボールが放たれた。

卵は無しか…。
そう諦めた時、妙な風が吹いた。
そのおかげで、胞子はコモロとオショウダニに降り注ぎ、リキッドとトシは再び勝った。


「さっきの風はアンタらの仕業か…」
「えーv なんのこと、ズルはダメっしょ」


特戦部隊の4人が現れ、今の風はロッドがやったものだと確信した。

それにしても…4人そろって水着とは…。
世の女性は鼻血を噴水の様にふき出しているはずだ。
…ちょっと怖いか。


『リキッドの応援か?』


俺は特戦部隊のもとに行った。


「おう。元部下の応援に来んのは上司の務めだからな」
『本当は卵狙いだろ』
「メシ狙いだ」
「はっきり言わないで下さいよッ」

『つっこむヒマがあるならちゃんとやれよ。ちみっ子と俺の飯のために』
「俺“達”だろ」
『そーゆー事で、がんばれ』
「アンタらはたかる事しかできんのかッツ」
『俺はたかってない!貰ってるんだ!』


リキッド達はどんどん勝ち進んでいった。
つぎの相手は…。


「俺達はカッパ海老戦☆隊!!!」
「キムラくんとフジイくんさ!!!」


危ない奴らだ。


「俺達の魂シャウトはやめられねえ、止まらねえ」
『そのセリフはギリギリだぞッ』


とりあえず、試合が開始された。

トシの褌の紐が切れ、それで切腹しようとしたり…。
その時に近藤さんがトシにスクール水着を着せようとしてソージに刺されたり。
ソージの全裸発言があったり。
リキッドとトシが微妙に青春してたり…。

たった1試合の中、色々あった。
多分、その辺の青春スポーツ漫画よりも青春してた。

そんな青春も過ぎ去り、今はラリー続行中。
終わる気配はなく、両者ともに汗だくだ。


『それにしても長いな。……あ』
「タッチネットで感電しやがったな」
「両者ともダウン!!先に立ち上がった方が決勝進出だぞー!」


パプワのアナウンスがビーチ上に響き渡った。
2人に起きる気配は全くない。


『あちゃー。今度こそダメか…』
「家政夫!!早く立ってよ!!」


ロタローの声もどうやら届いていないらしい。
そこに、ハーレムが立ち上がった。


「オラァー!これしきのヌルい砂浜でヘバってんじゃねーぞッツ。リキッドー!!テメー、特戦時代のノルウェー沖での特訓を忘れたかぁ」


特訓?


「いじめカッコ悪ッツ!!!」
「リキッドが立ったぞ!!」


リキッドは冷や汗をかいて顔を青くしながら立ち上がった。
若干涙目なのはなぜだろうか…。


『なあマーカー。…リキッドに何かしたのか?』
「ノルウェーでは極寒の沖で鮭と共に寒中水泳をさせた」
『………へえ』


なんて言うか、むごい…。
ほら、リキッド君、思い出して痙攣しちゃってるよ?

なんとかカッパ海老戦☆隊に勝った褌ヤンキーズは決勝戦に上がった。
今更だけど…センスねー名前だな…。

決勝戦の相手は、意外な2人。
エグチ君とナカムラ君だった。
向こうのブロックでは、小動物らが楽しくバレーをやっていたらしい。

こっちのブロックの白熱さは一体…。
そんな事はお構いなしに、試合は開始した。
直後、ボール代わりだったギンジ君が爆発した。
そのせいで、トシとリキッドは気絶した。


『………なんだこの終わり方…』


優勝は胸キュンアニマーズとなっり、大会は幕を降ろした。


「何負けてんの?」
「卵への情熱が足りんから負けたんだぞ」
「情熱で勝てるようなもんじゃねえよ…」


褌ヤンキーズはアラシヤマと一緒にモアイになった。


『…でもよく頑張ったよ』
「アレク…」
『次は頑張れよ』
「おう」
『負けたらわかってるよな☆』
「……」




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