短篇
□過去拍手log
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【10回クイズ】
青の鳳凰
「なァ、10回クイズやろう!」
『いいよー』
「よし!じゃあ、おれの名前を10回な!!」
『ルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィ』
「お前の目の前にいるのは?」
『ルフィ』
「今お前が乗ってる船の船長は?」
『ルフィ』
「“麦藁帽子”と言えば?」
『ルフィ』
「じゃあ、ノキが好きな人は?」
『ルっ……いない』
「言い直すなよー!」
『やだよ』
「えー!何で!!」
『それはこっちのセリフだよ』
<<その手には引っ掛からない>>
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「10回おれの名前言って」
『………何で?』
「何でも」
『シャンクスシャンクスシャンクシュシャンクシュサン…』
「だーっはっはっはっ!!噛んでやんの!」
『その名前言いづらいんだよ。変えろー』
「無茶な事言うなよ。噛んだ方が悪いんだ」
『じゃあシャンクスは10回言えるのか?』
「そりゃァお前、自分の名前だぜ?言えるに決まってるだろ」
『じゃあ言ってよ』
「サンクス…」
『初っ端から噛んでどうすんの』
<<連呼させちゃいけない名前>>
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『センゴクセンゴクセンゴクセンゴクセンゴクセンゴクセンゴクセンゴクセンゴクセンゴクっ』
「………何だ」
『名前呼んだだけ』
「……………」
無言でおれから書類へと意識を向けた。
すぐに謝ると、センゴクは視線をこっちに向け、「何の用だ」と聞いた。
おれは机に乗り出して、センゴクの顔を覗き込んで、上目遣いでこう言う。
『センゴクに会いにきた…って言ったら?』
「そういえば、政府がお前を呼んでいたな」
『え゙』
「冗談だ」
クツクツと笑うセンゴク。
からかいに来たのにからかわれ、おれは口を尖らせる。
「さて…。何か食べるか?」
『おれピザ食べたいっ』
<<10回呼んだらくれるご褒美>>
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『好きって10回言って』
仕事中にも拘わらずソファに寛ぐクザンに、10回クイズを仕掛けてみる。
「…どうしちゃったの、いきなり」
『いいから。暇なんだろ?』
そう言ってやると、クザンは渋々といった様に、指折り数えながら「好き」と言っていく。
『じゃあ、おれの事は?』
「好き」
『引っ掛かったー』
「本心なんだけど」
『ん?』
「いや、だからね、おれはノキの事好きよ」
『………真顔で言うなよ』
「照れないの。可愛いんだから」
『可愛くないし、照れてもない』
「じゃあ照れるまで言おうか?」
<<10回だけじゃ足りないのかもね>>
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