【青の鳳凰】
□朝日と狂気の舞曲
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奪われたものを取り返す為、麦わらの一味は屋敷へ駆け出していた。
ルフィ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、ノキの6人は階段から、フランキー、ゾロの2人が下の通路から進む。
その勢いは雷電の如く……。
「モリアはどこだァ!!!メシを返せェ〜!!!」
「ナミさんの風呂を覗いたクソ野郎はどいつだ出て来〜〜い!!!」
ルフィとサンジはゾンビを蹴散らして階段を駆け登る。
ウソップら4人はそれを後ろから見ながら、ダンスホールへ向かう。
「とりあえず、塩いらねェな。心からの怒りに満ちてる」
「影の事、どうでもいいのかな」
『まァ、おれらが楽だからいいけどね』
ノキは苦笑しながらそう言った。
先を行く2人のおかげでゾンビ達がノキ達を襲う心配はないのだ。
一方、ゾロとフランキーの2人も立ち塞がるゾンビ達をなぎ倒していた。
「――こんな貧弱野郎共に一度は捕まったと思うと自分にムカッ腹が立つぜ……!!!」
「そんなお前を解放してやったおれを慕うのなら“アニキ”と呼んでもいいんだぜ」
「呼ぶか!!!」
彼らの勢いにゾンビ達は逃げるばかりだったが、ルフィ達の前に強敵が現れた。
「………!!しまった…いけない………!!」
「何だ!?どうした」
「もーだめだ。生まれ変われるならボウフラになりたい…」
「おれなんか、マユゲ巻きすぎて死ねばいい…」
ネガティブゴーストの仕業で、ルフィとサンジの心が折られた。
その2人をゾンビ達が捕まえようとする。
「二人が捕まったァーー!!!何でだ!!!」
「あのゴーストの仕業よ!!触れると心を折られてしまうの。今の所、解決策は何も…!!」
『…まじか……!!』
「“鉛星”!!!」
「どあ!!!」
ゾンビを攻撃し、ウソップとチョッパーは2人を抱えて階段を駆け上がる。
その時、6人の足元が暗くなった。
ノキは上を見上げる。
『!!!?』
巨大な何かが降って来る。
マストから飛び降りたオーズだった。
「あ」
オーズが階段の上に落ちた。
サンジを抱えていたウソップと遅れて走っていたノキの足元が崩れ、3人は下の通路へ落ちていく。
ノキは風を操って着地しようとするが、背中に瓦礫が落ちてそれを阻止された。
そのまま、下へ落下する。
『うぶっ!!』
頭から通路へ落ち、腰までが通路に突き刺さった。
ウソップとサンジも同じ状況になっている。
「落ちて来たこの三人の事はまァ置いといて……どういうこったコリャ」
「急に道が塞がりやがった。何なんだこの壁は……!!!」
下の通路を走っていたゾロとフランキーは、目の前に“壁”が下りてしまったせいで前に進めずにいた。
「ゲホ!!畜生ォ、一体何が…!!!」
「イテテ…。い…今のは……!!?」
『な…何だったんだ……!?』
「ふんっ!!!……!!んん!?石じゃねェな」
「“ウェポンズ左(レフト)”!!!」
目の前に現れた“壁”を壊そうと、二人が攻撃する。
ウソップはそれを慌てて止めた。
その“壁”の正体を知っているからだ。
「お前ら何やってんだ!!?」
「それがよ、急に壁ができちまって…」
「バカ、それは壁じゃねェよ!!!そいつが、ルフィのゾンビだよっ!!!」
「「「え〜〜〜!!!?」」」
見上げると、そこには巨大な頭があった。
巨人族よりも遥かに大きく凶暴な巨人オーズが、彼らの進む道を阻んでいた。