【青の鳳凰】

□奮戦、奪還
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ロケットマンは滝の上を飛び、司法の塔に乗り込んだ。
スパンダムはロビンを力ずくで引き、CP9を解放すると言った。


「この司法の塔であいつらをギッタギタにしてしまえ!!!惨殺を許可する!!」


ロビンを連行しルッチを連れて、スパンダムは正義の門へ向かう。
ノキ達は各自行動に移る。
ノキは、フクロウと共にルフィ達のいる場所へと向かった。


「チャパパパ。ソアリング・ノキ、お前も大変だなー」
『大変ではないよ。慣れてる』


ノキがそう言うと、フクロウはノキを見遣った。


「お前が政府に協力する理由は知っている、世界的犯罪者であるお前が本格的に政府や海軍に追われない理由もなー」
『おれの事調べて楽しいの?』
「おもしろいものはあるな」
『あ、そ。ほかにわかった事とかあった?』
「秘密だー、お前が情報屋を始めた理由なんて知らないぞ」
『………そ、そう…』


ノキは呆れながらそれだけ言い、前方に目を向ける。


(始めた理由……それは政府に協力する理由と同じ、おれの故郷について知る為…。今回の事もそう……今回?いつもそうだったじゃないか。…もし今回も“いつもと同じ答え”だったら……)


首を振り、思考を止める。


(今回はいつもと違う。協力する機関はサイファーポールなんだ。おそらく、きっと、多分、大丈夫なはず…!)


自信はない。
もしかしたら………かもしれないという後ろ向きな考えが頭から離れない。
しかし、それを敢えて前向きに考える事にして、ノキは足を進めた。
そしてロケットマンが突っ込んだ場所に辿り着き、ノキ達は、ルフィ達の死角である場所に隠れた。


「よっっしゃー着いたーーっ!!!」


ルフィが瓦礫の下から雄叫びをあげて出て来た。


「怪獣のバーさん、ありがとう!!おいおめェら、さっさと立ち上がれ!!こんなもん平気だろうが」


ルフィが檄を飛ばす。
しかし、瓦礫の中から聞こえる声はほとんど平気と言えるものではなかった。


「ゴ…ゴムのお前と一緒にすんじゃねェ…。…な……生身の人間がハァ、ハァ…こんな突入させられて………!!無事でいられるわけ…」


それもそうだろう。
と、その場に隠れているノキは思った。


「「「あるかァーっ!!!!」」」
「全員無事だ」
「お前らもたいがいオカしいからなっ。一応言っとくけども」


瓦礫から出てきた麦わらの一味にフランキーが突っ込んだ。
ノキは立ち上がった麦わらの一味全員を眺め、楽しそうに笑みを浮かべた。


(あの様子なら大丈夫だね。心配して損したかも)

「そういやァ、こんな時になんだが、ソアリング・ノキとお前らはどういう仲なんだ?」


フランキーがルフィに尋ねる。
ノキの片眉がヒクッと動くのを、ノキは客観的に感じた。


「仲間じゃないみてェだが」
「ああ、まだ仲間じゃねェ」


フクロウがノキを見遣る。
ノキはそれに対して無視し、ルフィ達をじっと眺めていた。


「これから仲間にするんだ!絶対に仲間にする!」


ノキは小さくため息をついた時、フクロウが小声で話しかけた。


「ずいぶん仲が良いらしいなー」
『仲間になるつもりはないよ』
「そうか、チャパパー」

(仲間になるのはいやだって言ったはずなんだけどなァ…)


ノキは内心でそう呟き、フクロウから視線を逸らした。


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