【青の鳳凰】
□政府への宣戦布告
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[重ね重ね「正門」より報告を!!!]
慌ただしい報告は絶えず続く。
[前方の鉄柵を越えて、怪物馬車に乗った不審集団が侵入!!!援軍求む!!!援軍を――]
通信が切れる。
「どうしたァーっ!!!門番!!!応答しろ!!!何が起こってるんだァ!!!」
「…………どうした、ニコ・ロビン。立ち止まるな」
『…』
ノキがロビンの肩を押す。
『大丈夫だよ』
小声でそう言い、ロビンより先に進んだ。
その間もルフィの勢いは止まらず、数々の海兵を倒しながら進んでいく。
そして、身軽さを武器に、本島へと入って行った。
「本島への侵入を許した!!?一体どういう事だ!!!“オイモ”と“カーシー”はどうした!!?あの二人もやられたのか!!?」
[いえ!!只今時刻は夜中ですのでっ…就寝中で…]
「寝てる場合か!!たたき起こせ!!!本島で寝てる衛兵も全員だ!!!」
「侵入者ごときで………そんなに喚かんでもいいでしょうに長官…。我々がいるんだ」
取り乱すスパンダムにジャブラが言った。
「バカいえ!!……ここは「世界政府」の玄関としてその神聖なる“象徴(バッジ)”を背負った司法の島だぞ!!!」
スパンダムはそう言い返す。
「――それをたかだか仲間一人取り返すために「本島」にまで乗り込まれたとあっちゃあ、恥だ!!ナメやがって“麦わらの一味”とその部下共!!」
正門でも、フランキー一家が奮闘していた。
そして、正門が開けられた。
「第一の門「正門」突破だーーっ!!!」
「うォっしゃ〜〜っ!!!」
そのまま、本島前門へ走り出す。
しかし、その門の前に二人の門番が現れた。
「え〜〜っ!!?」
フランキー一家は声を上げた。
「…………!!?巨人族っ!!!!」
「ふァ〜…まだ寝足りねェなァ…。早ェトコおっぱらってまた寝るぞ」
「オイも」
行く手を阻む門番二人、巨人族のオイモとカーシー。
そして、ルフィを囲む、1万もの兵員。
ロビン救出を阻止する兵力は麦わらの一味とフランキー一家を遥かに超していた。
『…』
(だいぶ近くまで来たな)
ノキはふと振り返り、そう呟く。
それは口の中までに留まったが。
「どうした」
後ろを振り返った事が訝しく思ったのか、隣に歩いているカクが聞いた。
ノキは無の表情に冷めた口調で、何でもないと言った。
(さっさとロビンちゃんを連れ戻して行ってほしいもんだね……)
瞳の赤の中にあるオレンジ色が揺らめく。
ノキは冷笑を浮かべた。
それは誰に向けるでもなく、自分自身に向けていた。
けだるそうに頭を掻き、歩みを進める。
頭痛は歩みを進める度に激しくなるが、自分の故郷のため、それくらいは我慢だ、と自分に頭の中で言い聞かす。
……正直、その時のノキの期待は百分率にしてみれば5%もなかったが、0でもなかった。
藁をも掴む思い…まさにその状態だった。
(だからといって、CP9に――いや、あのスパンダムに、と言った方がいいか、あいつに貸しを作るのはなァ…)
気苦労が絶えない、という思いを溜め息と一緒に体外へ吐き出す。
そして、ノキ達は司法の塔に辿り着いた。
その間にも、ルフィ達はロビンとフランキーを奪還する為に敵を薙ぎ倒して行く。
そして、麦わらの一味が乗っているロケットマンが、本島へ突撃しようとしていた。