【青の鳳凰】
□政府への宣戦布告
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「ルッチ達が帰った様だぞ。我々にとって最高の土産をかかえてな!!」
スパンダムがある3人を前にして、高らかにそう言った。
「さて、今日は実に5年振りに、おれを含む「CP9」8名が全員顔を揃えるというめでたい日だってのに!!!」
語尾には怒りが込められている。
「一体この記事はどういう事だ!?」
手に持っていた新聞を卓上に叩きつける。
「今回の「革命軍支部長暗殺計画」。指令じゃ3人消せば事足りた所を、23人も消えちまってるじゃねェか!!!言い訳があるなら言ってみろ!!!」
「よよいっ!!も〜〜ォオオしわけありあせん〜ァ!!!長官、全ておいらの責任でェ!!!」
頭を下げて大声を上げる男に、隣に座っていた男、ジャブラが怒鳴る。
「やめろクマドリ!!!男が簡単に頭下げるんじゃねェよ!!!これからおれが成り行きを長官に話すから座ってろ!!!」
「……」
その男の隣にいる男、フクロウは口のチャックを閉めて黙っていた。
「よよい!!すまねえ長官。おいらァ………!!こうなったら腹ァ切って責任を…!!!」
クマドリと呼ばれた男は抜刀し、自分に刃先を向ける。
「バカな事言うな!!違うんだ長官。おれ達ァ指令通りの期日に暗殺しに潜入したところがよ、誰も知るハズのねェ計画がもれてたんだよ」
「おれが町で暗殺計画をしゃべってしまったー。チャパパ」
フクロウが口のチャックを開き、軽い口調で言った。
「何ィ!!?またてめェかフクロウ!!お前の口のチャックは何の為についてんだァ!!!」
ジャブラは憤慨してフクロウの頬を掴む。
「そしてその口の軽さはいつ治るんだ。機密厳守の諜報部員だぞ、おれ達は」
「しゃべってしまったー。チャパパパ」
「よよよいっ!!フクロウを責めねェでくれ。その責任はおいらがァ〜!!切腹!!!」
ガキーン!!!
「「鉄塊(テッカイ)」。無念、死ねぬ〜!!!」
「さっさとしねっ!!」
「もういいお前ら。あちィ!!!コーヒーこぼした!!!畜生!!それとネロなんだが使えなかったそうだ。まァいいか」
フランキー一家は、荒れている海を走っていた。
「急げ!!!」
「もっとスピード出ねェのか!!?」
思わぬ襲撃によりロケットマンとはぐれてしまったフランキー一家は、サンジとそげキングと合流していた。
「なァおい!!じゃあフランキーのアニキは自分を犠牲にして」
「ああ、そうだ…。ロビンちゃんを助けようとしたんだが…」
「うぉぉう、何て眩しい人だよアニキ〜」
サンジはフランキー一家に先程の事を話した。
「おい、見えたぞ。不夜島の光っ!!!」
「“エニエス・ロビー”だ!!!」
「不夜島?」
「ああ。あの島には夜がねェんだ。“昼島”ともいう。あれが司法の島さ!!!」
「見つけたぞ!!!デカヤガラ〜っ!!!」
ルフィの声が届く。
「お〜〜い!!!」
「おい!!アレ見ろ!!」
「「ルフィ!!!」」
「あっ!!!サンジ〜!!!と…!!誰だアレ!?」
ロケットマンがフランキー一家と合流する。
「乗り込む気満々みたい!世界政府の“玄関”へ!!」
「エニエス・ロビーも視界に捉えた!!!」
「全員、決戦の準備を!!!!」
ロケットマンとフランキー一家が合流し、サンジとそげキングの二人がロケットマンに入った。
「狙撃の島の「そげキング」!!?」
「…そう。ウソップ君の親友で、この度キミ達の手助けを託かってここにいる!!!」
「ヒ…ヒーローだ!!マントしてるからそうじゃねェかと思ったんだおれは!!すげェ、ヒーロー初めて見た!!!」
「そうか!!マントしてるからヒーローなのか…!!!かっこいいなー!!!」
そう言い、ルフィはそげキングに挨拶し、チョッパーはサインを貰おうと色紙を渡す。
(ウソップじゃねェか)
(ウソップ、無事でよかった)
(フランキーハウスに乗り込んできた長っ鼻だ…)
((アニキと一緒に捕まった長っ鼻だわいな))
(シフトステーションで会った兄ちゃんだ)
ルフィとチョッパー以外の全員にはバレていた。
しかしルフィは、そげキングにウソップの行方を聞いた。
「彼は無事。全く心配御無用だ。とにかく今はロビン君の救出に全力を注げと彼は言っていた」
「うん…!!確かにそうだ」
「そ!!そ!!狙撃の島ってどこにあるんだ!?」
チョッパーが目を輝かせながら聞いた。
その問いに、そげキングは意味深長な間を置いてこう答えた。
「君達の………心の中さ………」
「心…」
「どこだ」
ナミがつっこむ。
「――ナミさん…」
サンジが声をかけた。
「何?サンジ君」
「それとついでにナミさん以外のアホ共。ロビンちゃん救出の前に一つ聞いといてくれ」