【青の鳳凰】

□闘争の始まり
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翌朝


「見ろ!!!言った通りだろ、ここに誰かいたんだ!!!見たんだおれは。やっぱりあれは夢じゃなかった!!!」
「G・M(ゴーイングメリー)号が………修繕されてる…!!」


祭壇に乗っている船は、しっかりと修繕されていた。
少し、歪だが…。


『トサカとかがないけど…』
「そこなんだ。それを考えてた」


ウソップは顎に手を当て、階段を上る。


「何でこれを直してくれた奴は…メリー号の元の姿を知ってるんだ。トサカがなかった事も羽やしっぽがなかった事も」


宴が収まると一味は全員が眠りについた。
ウソップが起きた時、起きていたのはノキとゾロの2人だけ。
その2人は全くその場から離れていない。

ウソップ以外の全員は次の探検に向けて準備を始める。


「なあメリー…誰だったんだありゃあ…」


ウソップはメリーに訊ねた。
答えは、ない。










「さてと」


ナミが地図を広げ、鉛筆で目的地を指す。


「「探索組」のルートはこうね。南へまっすぐ。この“右目”に何らかの遺跡があるハズだから、まァ敵もろもろに気をつけて黄金持って来て!!」
「簡単に言いやがって」
「何だお前、黄金黄金言ってるくせに来ねェのか?」
「そうよ。だってコワイじゃない」
「(はっ!!黄金は手に入れたいけど危険は冒さねえんだ!!!変態だっ!!)」


チョッパーはナミの言葉にそう思ってしまったのだった。


「その間、私達はメリー号でこの島を抜けるわ。こっちも危険よ。なるべく早く遺跡付近の海岸へ行って、そこで落ち合いましょう!そしてそのまま空島脱出」
「おーし!!そんじゃ行くかァ!!!」
「おお!!!」


ナミ、ウソップ、サンジの3人が「脱出組」
ルフィ、ゾロ、チョッパー、ロビン、ノキの5人が「探索組」


そして、黄金探しが始まる―…。


「おい!!どこ行くんだゾロ!!!そっちは逆だ!!“西”はこっちだぞ!!!」
『……西?』


ナミの話に出ていなかった方角が聞こえ、ノキは思わず首をかしげる。


「まったく、お前の方向音痴にはホトホト呆れるなァ」
「おいルフィ。お前は何でそう人の話を聞いてねェんだ。“ドクロの右目”なんだから右だろうが!!!あっちだ!!!バカかてめェっ!!」
「…私達が向かっているのは“南”で、方向はこっちだと伝えてくれる?」
「よしきた」


ルフィが向かったのは東、ゾロが向かったのはその反対の方向だった。


「なんだ南か。それを早く言えよ〜。ん〜〜んん〜ん〜♪」


ルフィは鼻歌を歌いながら、拾った棒で草や岩をガリガリと引っかいたり叩いたりしている。
チョッパーはその棒がいい雰囲気だと言い、棒を探し始める。


『すごく呑気だな。モンキー・D・ルフィは』
「いつもの事だ」
「なァ、ノキ。前から気になってたんだけど、何でルフィやゾロの事をフルネームで呼ぶんだ?」


思い出したと言わんばかりに、チョッパーがノキに尋ねた。


『なんとなくだけど…気になった?』
「うん」
『そっか。じゃあ名前で呼ぶようにするよ』


ノキはそう言い、2人の名前を繰り返し呟いた。


「でもおれはこの森もっとコワイとこかと思ってたんだけど、なーんだ、たいした事ねえな〜。がはは」
「へ〜、チョッパー、お前今日は強気なのか」
「そうなんだ。がはは」


チョッパーとルフィが話している。
珍しく、ゾロが口をはさんだ。


「だが確かに、正直拍子抜けだよなァ。昨日、おれ達が森に入った時も、別に何も出なかったぜ。神官の1人とも会わずじまい」


気持ちも分かる、とゾロが言うと、ノキも同意して、肩をすくめた。


「だ!!だろ?がはは」


ロビンはその4人の様子に微笑み、彼らを見る。
そして前方に目をやった時、5人は一瞬動きが止まった。
5人の目の前には、巨大な大蛇(ウワバミ)。


『…これは夢だ』
「ゆ、夢だよな!?」
「そうか〜、夢か!」
「現実を見なさい」


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