【青の鳳凰】
□空の席
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2日後、マリージョアにて…。
『こんにちはー』
「ソアリング・ノキ…。ずいぶん早かったな」
『まァね。飛ばしてきた』
荒い息を整えて、部屋を見渡す。
『あ、おつるちゃん』
ノキは海軍本部中将であるおつるを視界に捉えると、手を振って近寄った。
『久しぶり。相変わらず可愛いね』
「冗談はおよし」
『冗談なんかじゃないよ』
おつるから離れ、バルコニーに出た。
そこから外を見る。
『来てるのはこんだけ?』
「まだ来ていない人がいるよ」
『あァ、センゴクか』
「それ以外にも」
[海軍本部からマリージョアへ……王下“七武海”ドンキホーテ・ドフラミンゴ様…!!次いで…バーソロミュー・くま様がお着きに…!!]
『…なるほどね』
アナウンスを聞き、外にいる2人を見てため息をついた。
その時、ドフラミンゴと目が合った。
『うわ…』
「どうしたんだい?」
『ううん。何でもない。嫌なもの見ただけ』
「フフッ。相変わらずしらけた部屋だな」
しばらくしない内に、2人の王下七武海が中に入った。
ドフラミンゴはバルコニーに座り、くまは部屋の中央にあるソファに腰掛けた。
「よォ、ノキ。すいぶん早かったんだな」
『電話の後、すぐに出てきたからね』
ノキの返事を聞き、笑った。
そのあとすぐ、ドフラミンゴは暇を潰すかの様に指を動かした。
「おいやめろ!!何をする!」
「違うんだ。手が…勝手に…!!」
「バカ言え。ふざけてる場合か!!?」
『……全くだよ。ここはふざける場所じゃない』
ノキはため息交じりにそう言った。
「ドフラミンゴ。お前の仕業だね?いい子だから、おやめ」
「フフッ!!!フッフッフ!!!いい子だからか、フフ!!敵わねェなァあんたにゃ、おつるさん」
『…』
「…………だったらよ。さっさと話す事話して…終わらせちまおうぜ、こんな集会」
指をゆっくりと動かした。
『“銀の風(アルジャン)”』
ノキが指を動かすと白銀色の風が吹き、3人の動きを止める。
「!」
『ドフラミンゴ。ここでふざけるのはよせよ。さっきもそう言ったはずだろ』
「フフッ。お前に止められるのは何度目だ?」
『いちいち憶えてない』
2人を引き剥がし、ノキは力を抜いた。
「フフ…」
『!』
ノキは海兵から銃を奪い、自分のこめかみに当てた。
自分でそうしたくてやったわけではない。
ドフラミンゴのせいだ。
『…何のつもりだよ。ドフラミンゴ』
「フッフッフ…。さすがに動揺しねェか」
『…………』
バスン!!!
ノキの持った銃は粉々になり、足元に落ちた。
『次はお前をこうしようか?ドンキホーテ・ドフラミンゴ…!!!』
「フフフ!やれるもんならな!」
「やめんか」
センゴクの声が2人を止めた。
「下らんマネをするな。貴様ら、戦争でもしに来たのか?」
ニッコリと笑いながら、そう言った。
「あァ…いやいや…あいさつが遅れた…。よく来たな、海のクズ共」
「フフ!!フフフ!!おーおー…えれェ言われようだぜ……」
「だが、的を得ている」
センゴクはイスを引き、席につく。
ノキも席に着き、机に両足を乗せた。