【青の鳳凰】

□空の席
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「お前、ラフィットだね?」


つるが男に聞いた。


「……おや、私の名をご存じで…。これは恐縮千万」
「誰だ、おつるさん」
「“西の海(ウエストブルー)”で広く名の通った保安官だよ」
『…たしか、度の過ぎた暴力で国を追われたんだっけ?』
「ホホ…。昔の話です、私の話などどうでもよろしい。私はある男を“七武海”に推薦したくここへ来たのです」


その言葉に、そこにいた全員は訝った。


『……で、誰なのさ。その推薦したいって奴は?』


ノキは眉間にしわを寄せたまま、ラフィットに訊ねた。






















「ティーチ………!?」
「そう……それが我が海賊団の船長の名前」
「知らんな」
『待った。マーシャル・D・ティーチって、白ひげの部下じゃなかったっけ』


昔に白ひげからその名前の男の話を聞いたのだった。
4番隊隊長を…仲間を殺した、と。


「それは昔の話…。私もよくは存じません」
「だが、そんな奴では、他の海賊達への威嚇にならん」
「ええ。承知しております。その辺りも抜かりなき計画を立てておりますので、少々お時間を頂きたい」


ラフィットの言葉に、ドフラミンゴは笑う。


「フフ!!フフフフ!!面白ェ!!オイ、やらせてみろよ、センゴク!!フフ!!」
『……いいんじゃない?下手な奴を出すよりは。その計画とやらも…気になるし』
「我らが一味の名は……“黒ひげ海賊団”。ご記憶くださいます様に」


そう言うと、ラフィットは窓から立ち去った。






















会議が終わり、参加者が席を立って行く中、ドフラミンゴはノキに声をかけた。


「よォ。ずいぶんイラついてたみてェだな」
『…君の顔を見てからずっとこうだったつもりだけど』
「おれじゃなくて、あのラフィットとかいう奴が乱入してからじゃなかったか?」


ピクリ、と額に青筋が浮かぶ。
立ち上がってドフラミンゴを睨んだ。


『………何が言いたい?』
「フフフ!なに、ただ聞いてみただけだ」
『おれが何でイラついていようと勝手だろ。いちいち探ろうとするなよ』


スッと横切る。
すると腕を掴まれ、止められた。


「待てよ。フフ!話は終わってねェ」
『おれから話す事は何もないよ』
「なら、いやでも喋らせてやろうか?」
『……放せよ。おれは帰る』


ドフラミンゴの手を振り払い、バルコニーに出る。


『次会った時におれの事を詮索しようとしたら、海王類のエサにするからな』
「会いに来てくれるのか?」
『……誰が』


そう言い残して、飛び去った。


「フフフ…!」


落ちた羽根を拾い、ドフラミンゴは密かに笑った。





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