□汚れた手
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「お願いだっ!!殺さないでくれっ!!」
「うっ……でも…ここは戦だ。殺さぬわけには…」
「生まれたばかりの赤ん坊が…」
「っ……」
「真田幸村!!討ち取ったりっ!!」
「旦那っっっ!!!!」
ズバッ
「さ…佐助。」
「お願いだから気ぃ抜かないでよ!あーぁ、危ない危ない。」
「すまぬ…」
最近の旦那はおかしい。戦の最中でも敵兵を斬るのに躊躇いがある。
普段は普通なんだけどな〜。
「旦那ぁ〜、団子食べようよ。」
「うおおぉぉ!!団子!!」
こんなに団子をおいしそうに食べる人間は見たことないよ。
目尻とか垂れ下がってるしね〜。
あぁ〜、みたらし団子のタレが垂れる。
「幸村、垂れそう!」
二人の時は幸村って呼ぶようにしてる。
俺は真田幸村の忍び兼恋人♪
本当に可愛いな…
「へ?…ああぁぁ〜…佐助ぇ〜、垂れた…」
本当に子供なんだから!
まっ、そこが好きなんだけど。
「手がべた付いて気持ち悪い!」
「しょうがないなぁ…」
俺は幸村の指を口に含んだ。
タレの付いた指を一本ずつ丁寧に…
「やめっ…さ…さすけ!」
口内に甘い味が広がる…もっと幸村の反応が見たくて指を舐め続ける。
「やめて…やめ…やめろっ!!」
…あれ?
幸村は勢いよく俺の口から手を引き涙目で見つめてきた。
「……すまん」
そのまま一度も振り返ることなく部屋を出てしまった。
もしかして拒否られた?