□積極的
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「遠路遥々よく参られましたな、真田殿」
ここは誰からも恐れられる独眼竜、伊達政宗が治める奥州。
真田幸村は主である武田信玄の文を届けにやってきたのだ。
今は伊達政宗がもっとも信頼している片倉小十郎と城内を歩いていた。
堅苦しい話しに宴……今日はとても疲れた。残ることはあと一つ。伊達政宗に文を渡すこと。
重い足を引きずり片倉小十郎と共に伊達政宗の私室へ向かう。
「政宗様、真田殿でございます」
小十郎が障子の前で声をかけると独眼竜、伊達政宗の声が返ってくる。
「Oh、通せ」
障子を開けると堂々と座る伊達政宗がいた。
「伊達殿、こちらが我が主から託された文でござる。それと……お口に合うか分かりませぬが、某が好きな甘味屋のお団子でござる。もしよかったら食べてくだされ。」
少し緊張気味の表情を表に出したままそれを差し出した。
「Ho〜、んじゃ遠慮なく頂くぜ。Thank you。…小十郎。幸村と俺の分だけここに残して、あとは野郎どもに」
「かしこまりました」
小十郎はお皿の上に4個のお団子を置くと一礼をしてその場を立ち去った。
「………」
「………」
「………」
「………団子…食いてぇのか?」
幸村は大げさなくらいに首を横に振る。
それを見た政宗は思わず口元が緩んでしまった。
そして大きく手を広げ
「……Come on、幸村」
幸村はパァっと顔が明るくなり、思い切り政宗の胸に飛び込み背中に手を回し強く抱きしめた。
「政宗殿!!会いたかったでござるぅ〜」
「幸村…今夜は二人きりで寝れないpartyだ。」
「政宗殿…分かってるでござる!!そのために某昨日はたくさんたぁ〜くさん寝たでござっ……んん…ふっ…ん…」
「幸村…欲しい」
「はぁ…ぁ…お団子でござるか?」
我慢のできない狼さん、伊達政宗と、天然ボケな可愛い真田幸村。
そう。
二人は恋人同士だったのです。