□好きなのに届かなくて
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………旦那











覚えていますか?













―2007年7月―




「猿飛佐助ただいま参上!!さぁ〜て、俺さっ狽トぇっっっっ、痛ぇ〜………」

佐助は後ろから敵に思いっきり頭を押されその場に倒れ込んでしまった。


「だめだ……これだけは絶対に譲らない。負けるわけには…」














「おっ、お前遅いんだよ!!元就がご立腹だぞ」

「ごめぇ〜ん!今日の購買めちゃくちゃ混んでてさぁ…一回転けたけど約束の物は持ってきたからさ」

俺は申し訳なさそうに笑いながら購買という名の戦場で見事手に入れた焼きそばパンを手渡す。

「遅いぞ猿飛。………ご苦労だったな。」

目を合わせずに言うこいつは毛利元就。昔と比べたら素直だし…可愛いと思う。



本人の前じゃ言えないけどねぇ……そしてこいつの前でも言えない。


「元就は本当に焼きそばパンが好きだよなぁ〜♪なぁなぁ、一口くれよ」


元就の顔を見ながらにやけてるこいつは長曾我部元親。昔は鬼とか言われてたけど今じゃ……元就の犬?

まぁなんだかんだ言っても二人は付き合ってるしうまくいってるみたい。



この二人を見てると思い出す。思い出さずにはいられない。














ねぇ旦那。






あなたはどこにいますか?





今見ている空、雲、建物、風景。












同じものを見ていますか?
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