□夏にありがちな姿
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「なぁ…いい加減あちぃよ…」


「我慢せよ。」






うちにはクーラーもなければ扇風機もない。



なのにこいつ…


元就だけは涼しげな顔をしてる…






何故かって?












「ぅぉりゃゃやややぁぁあああ!!」



「暑苦しい声を出すでないっ!!」





答→俺が一生懸命うちわで扇いでやってるから。





「もうやだよぉ…このままじゃ手がちぎれちまうよ!!」



「それでは我が暑くなってしまうであろう!!」




なんでお前がキレんだよ!!



なんでそこまで女王様なんだよっ!!






「こんなのやってられっか!!扇風機買ってくる!!」










俺は…



元就のパシリでも下僕でも駒でもない…






恋人なのに…














ギュッ…














「待て…」


「なんだよ?財布なら持ってんぞ?」


「違う…」





なんだ?他に欲しいもんでもあんのか?







「クーラーも扇風機もいらぬ。」



「は?また俺に扇がせんのか?」



「……」















「き…貴様から贈られる風が我はいい……」













―――3日後―――






「なぁ〜?どうだ〜?」



「黙って扇げ。」



「はぁ〜い♪」



「その調子だ。」












元就のために扇げて幸せです♪
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