□夏にありがちな姿
2ページ/2ページ
「なぁ…いい加減あちぃよ…」
「我慢せよ。」
うちにはクーラーもなければ扇風機もない。
なのにこいつ…
元就だけは涼しげな顔をしてる…
何故かって?
「ぅぉりゃゃやややぁぁあああ!!」
「暑苦しい声を出すでないっ!!」
答→俺が一生懸命うちわで扇いでやってるから。
「もうやだよぉ…このままじゃ手がちぎれちまうよ!!」
「それでは我が暑くなってしまうであろう!!」
なんでお前がキレんだよ!!
なんでそこまで女王様なんだよっ!!
「こんなのやってられっか!!扇風機買ってくる!!」
俺は…
元就のパシリでも下僕でも駒でもない…
恋人なのに…
ギュッ…
「待て…」
「なんだよ?財布なら持ってんぞ?」
「違う…」
なんだ?他に欲しいもんでもあんのか?
「クーラーも扇風機もいらぬ。」
「は?また俺に扇がせんのか?」
「……」
「き…貴様から贈られる風が我はいい……」
―――3日後―――
「なぁ〜?どうだ〜?」
「黙って扇げ。」
「はぁ〜い♪」
「その調子だ。」
元就のために扇げて幸せです♪