□愛してるでいっぱいの部屋
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「政宗殿…愛してます……」



そっか…





「今…誰もいないや……」










早く…来ないかな……













「お風呂?」


「そうだ。でも今日は体を拭くだけだ。」


「はい…」








少し残念…











「今日は何してた?」


「政宗殿のこと思い出してた。」


「そうか…」


「最後の夜のこと…沢山。」




早く…愛されたいな…














あれ…













「…どうした?」


「ない…」













どうしよう…どうしよう……











「…大丈夫……か?」


「嫌だ…無くなっちゃった…」











赤いの…











「赤いの!!無くなっちゃった!!」


「落ち着けっ!!」


「政宗殿が付けてくれた…赤いの……赤いのがないっ!!」


「真田っ!!」


「政宗殿―――…!!」














あ…れ……?











手も足も…縄で縛られてる…











「そっか…俺……悪い子だから…」











暴れないようにベッドに縛られちゃったんだ…









そんなに…







暴れちゃったんだ…












「政宗殿が見たら…もう誉めてくれなくなっちゃうかな……」



















「申し訳ありません…」


「毛利君のせいじゃないから。」


「しかし…あんな姿…」


「仕方ないの…保護者の方には承諾を得ているわ。」


「ごめっ…なさ…」


「泣いちゃだめ…でも……振り出しに戻ってしまったわね。」














赤いのは…


政宗殿がくれた最後の贈り物。






もう政宗殿を感じるには…これしかなかったから…











消えてほしくなかった…
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