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□☆FIRST NAME
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「…何してんだテメー」
「ん〜?獄寺の補充♪」
「勝手に人を補充すんなっ!」

俺の一日はここから始まる。朝起きると隣には獄寺がいて。
抱き締めると不機嫌な声を出す。可愛いって言うと怒る。
そんな些細な事でも嬉しくて幸せだと思う。

「おらっ、さっさと起きやがれ山本!」
「あ、あぁ。…あいでっ!ご、獄寺ギブギブッ!!」
「ふん、目ぇ覚めたか!」
「覚めたよ〜…って痛い痛いっ!!目は覚めてるって〜」

ただ、ひとつだけ欲を言うとすれば…。
…名前で呼び合いたい。

「なぁ、お互い名字で呼ぶのもうやめないか?」
「…は?何だよいきなり。別に名字だって良いだろ。」
「俺は名前で呼びたいし呼んで欲しい。…何も変わってないみたいだろ、10年も経ったのにさ。」

あれから…イタリアに来て。
一緒に暮らすようになって。
結婚もして。
環境は随分と変化したのに、俺たちは何一つ変わってない気がする。
多分…未だに名字呼びって事も原因の一つなんじゃないかって思う。

「どう呼んだって結局同じじゃねぇか」
「おまえの親父さんだって『獄寺』だろ?だけど『獄寺隼人』はおまえしかいない」
「それは…そうだけど…」
「名前って、そういうもんじゃね?」
「・・・・・・」
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