本編沿い
□Prologue&Story1
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あんまりに酷い運命だなってぽつりと思った。
でも泣けるほどの強さも
逃げるほどの力も
壊れるほどの思いも
何も持ってはいなかったから
しょうがない、なんて諦めが頭の中をぐるぐる回った。
幸せなんて虚構の夢で、完璧なる無だ。
だって私の人生は全て、宿命で終わるのだから─────…
[prologue]
大人の気紛れとか技術とか、そんなものはどうでもよかった。
只生き残るため、生き延びるために大人の中で働いた。
随分と出来のいい子供だねと喜ばれたけれど、体が弱いんじゃ使いものにならないと追い出された。
やっと拾ってもらえたと思ったら、その人はいきなり私を変な施設へ送った。
検査とか、色んなことをされて。
臓器の半分がない事で驚かれたりもしたけれど、私にはそれが普通だったし、その時はまだよく意味が分かっていなかったからどうってことなかった。
遺伝子操作されたコーディネイターって言うのは保証されたみたいだったけれど。
また誰かが入ってきた。
まるで標本のような毎日。
そんな中で告げられたのは、受け入れ難い真実、そして非道な運命。
生き残るため、生き延びるためには仕方なかった。
しょうがないと言ってまた諦めた。
軍へ行って、殺すことを学んで。
誰よりも、強くなりたかった。
私をこんな風にした、私にこんな運命を背負わせた、
大嫌いな、キラ・ヤマトを殺すために────────…