小説

レム睡眠の悪夢
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眠たいと思う時程何かしらの邪魔が入るものだ。
例えば朝方、まだもう一睡しようかと思えば窓から入り込む朝日がそれを邪魔する。他にも友達の家に泊まって、眠たいのに友達がずっと話しかけて来たり(僕の場合泊まったりしないし、する相手は"多分"いないけど)。
そんなわけで今の僕の眠りを妨げているのは間違いなくこのパイナッポー野郎。

「眠らせて」

「どうして?」

「…ッどうしても!眠たいから…んぁ、も、止めて!」

「気持ちいいんでしょう?ほら…」

グッと指を押し込まれれば、あまりの気持ちの良さに背中がのけ反る。
何で骸がこんな特技を持ってるのかわからないけど、今はそんな事をしてもらうより眠りたい。快感と睡眠…今は後者の方が僕の脳を占めている、はず。

「僕は"マッサージ"してくれなんて頼んで無いし眠たいし…ちょっと!止めてって…ば、ぁっ」

「いやいや、君があまりにも愛らしい声を出すものですから…止められませんね」

骸はなおも微笑みながら名ばかりの"マッサージ"を続ける。この奉仕は良心からのものでは無いのだ。悪く言えば嫌がらせ。
うとうとすれば妙な感覚が覚醒を促すものだから…これじゃいつまでたっても眠れない。

「もう…いい加減にして」

睨みつけてやったら、意外にもあっさり手を止めた。何だか怪しい…が、余計な事を詮索してる余裕は無い。
雲雀は双眸を綴じて息をつく。

「クフフ…おやすみなさい」





―…おかしな事に綴じたはずの双眸は開けられていて、そこには先程散々睡眠妨害をしてきた男の笑顔。
あぁ、つまり僕は眠たくなる夢を見ていたという事か。

「最悪…全く眠った気がしない」





これぞレム睡眠の悪夢。










2009.09.12 Airu


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