その他

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コンビニでもしも薬売りが働いてたら、というテーマで書いたパロディになっています。
苦手な方はブラウザバック!
主人公の名前は悠生になっています。






ぴろん♪ ぴろん♪

「いらっしゃいませ〜」

「…いらっしゃい、ませ」

「遅っ!」

すかさず隣で何を考えてるかわからない美青年にツッコミをいれる。
俺の隣にいる美青年…そう、薬売りはいつもの着物ではなくコンビニの制服に身を包んでいる。
……違和感を感じるのは俺だけじゃないはず…

薬売りがバイトを始めたのは数日前。
何やらお金がほしいんだと(本業はどうした!)
んで、お決まりだけどこいつがバイト始めてから女の子のお客が増えた。
顔が良いって得だよな!!

少しイライラしながらレジは薬売りに任せて俺は雑誌を並べる。
薬売りにレジ何て任せるのは不安だが、俺がレジをすると薬売りさんがいいだのなんだの言われるからだ。
まぁ、ちゃんと仕事はしてるからいいけど…

「薬売りさんに会いたくて、また来ちゃいましたっ」

「これは、これは、有難う御座います」

ふっと営業スマイルで薬売りが言えば女の子たちは嬉しそうにはしゃぐ。
これでお客が増えるのは有難い、が…
さっきからもやもやしてるような、切ないような、良くわからない気持ちになる。
俺って実は病気なのか?元気だけが取り柄だったのに…
とりあえず、出来るだけ視界に入れないようにして仕事に集中しよう!
何て意気込んだ矢先…

「痛っ」

人差し指を切ってしまった。
あまり深く切れたわけじゃないが血がなかなか止まらない。
…これは、やばい

「悠生さんっ」

「へ?おわっ」

名前を呼ばれたかと思うと引っ張られる。
勿論引っ張ってるのは薬売りで…

「お、おい!お客が…」

「それより怪我の治療です」

うっ…いつものゆっくりとした言い方じゃない…この時の薬売りはマジな時のなので黙ってバックスペースについていった。





「あの、俺自分で…」

「貴方に任せると消毒せず絆創膏だけになりそうなので」

見破られてる…!
一人ショックを受けてるのをほっといて救急箱を漁っている薬売り。
絆創膏を取り出すと俺に指を出すように言う。

「あれ、消毒しねえの?」

「いえ?しますよ」

この世の終わりを見た気がする…
薬売りがこの上なくにっこりと笑っている…と思ったら俺の手首を掴んで

「なっ、ななななにしてんだ!」

「なにって、消毒、ですよ」

俺の問いかけにまるで見せつけるかのようにねっとりと指を舐めあげる。
そう。こいつは消毒と言って俺の指を舐めている。
そっと優しく傷口を舐めてくる薬売りに何だか恥ずかしくなって、
手首を掴む手を剥がそうとするが全く離れる気配がない。

「や、やめろってば…っ!」

頭を押してもびくともしない。あれ、俺って力弱い?
そんなことしてる間に薬売りの舐め方が妙にエロくなってきた。

「ぁ…く、薬売りっ」

「おや、手だけで、感じたんで?」

やっと顔を話して俺の頬を撫でながら薬売りが見つめてくる。
薬売りに見つめられるだけでくらくらするなんて、やっぱ俺って病気なのか?

「ここも、赤いですね…」

「んっ…」

ひんやりとした指が唇をなぞって鳥肌が立った。
そのまま顔が近付いてきて…

―ガチャッ

「あっ」

「え…」

「…」

ドアが開いて顔を出したのは一緒にバイトしてる加世ちゃん。
加世ちゃんがみるみる赤くな…ん?

「お、お邪魔しましたー!」

「ちょっと待てえぇぇぇぇ!」

あの後、加世ちゃんに何とか話をつけて仕事に戻った。
薬売りは勿論しれっとした顔でレジ打ちをしている。
俺の人差し指には薬売りが巻いてくれた絆創膏が。
さっきまでのもやもやは何処へやら。

「…へへ」

一人笑ってると加世ちゃんに引かれた…
ちょ、引くな…!





薬売りはちゃんと仕事しつつ、どうやって男主にちょっかいだすか考えてるに違いない!←

戻ル


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