□第一章
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「みちる、明日何か予定ある?」

そう聞いてきたのは一番の親友である宝城美夜。

今は部活の休憩時間。

彼女もまた、みちると同じ演劇部の部員である。

みちるは持っていたペットボトルの中の水を飲む。

季節は夏休みが終わったばかりの秋。まだまだ暑い。

「ねぇ、ちょっと聞いてる?」

「聞いてるよ」

美夜の言葉に軽く応え、みちるは美夜の隣に座る。

明日は土曜日。部活もない。

「特に用事というのはないけど家で演技の練習をしようかと思ってた」

そう言ったら美夜は目を丸くした。

「あんた、また明日も練習するつもりだったの!?」

「うん、どうせやることないし」

友達と遊びに行くでもない、テレビも最近じゃ見なくなったし、残るは演劇の練習だけ。

「でたよ、この部活バカが」

美夜は溜め息を吐く。

「ねぇみちる、演劇が好きなのは分かるけどさ、たまには違うことをするのも大切だと私は思う。だからさ、明日はふたりで遊ぼうよ!!」

美夜はいつもみちるの心配をしてくれる。それはとても嬉しいことだ。

「でも…………」

「良いんじゃない? その提案」

今だ躊躇っていると後ろから声が掛った。二人して振り返ればそこには東條先輩がいた。
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