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□先生帰らせてください、彼氏の誕生日なんです!
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とりあえずそれから私は家までがむしゃらに走ったわけだ。

乱暴に家の扉を開け、玄関に置いてあったプレゼントをひったくるように持った。

お母さんの"は?"みたいな視線をシカトしつつまた乱暴に家を出た。




「はぁっ、はぁ」




走りまくってたどり着いた公園には、いつもどおり長ランとみつあみの彼氏が居た。


「29分だよ、頑張ったネ」

「ぅ、そうだよ…超頑張った……」

「さて、と。どっか行こっか?」

「え?どっか行くの?」

「…じゃなきゃ何のためによびだしたんだよ」

「あ、うん…」


ついた先は意外にも…








神威くんの家だった。
………………いやいやいやいやいや。


「神威くん?どっか、でなんで家?」

「ケーキ家だし…ケーキのついでにアンタを頂こうと思っ「あほか!帰るよ?!」

あはは冗談だよーとか言ってる神威くんの目は笑ってない。何この人、怖い


「どうぞ上がって上がってー」

「おじゃまします…」

「ケーキ一緒に食べる?」

「あ、いただこうかな…ありがとう」

「いえいえー」


初めて来る男の子の部屋に緊張した。神威くんの匂いだし…心臓が……!!

その矢先、ガシャンッと豪快な音がして、テーブルの上に普通考えられないサイズのケーキが乗った。

緊張が空へ飛び立った瞬間だった。


「神威…くん!?このサイズは一体…!?」

「いただきまーす!」


神威くんはそのままケーキにかぶりついた。あ、一口で超減った……


「食べなよ。なくなるよ?」


もぐもぐしながら神威くんは私にそう言った。
…あぁ、じゃあ遠慮なく……
私はフォークを持ち、フォークの先をケーキに向けた。





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