シルシ

□シルシ 13
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なんでかって…
それはね…

「あのさ田中さん」
「んー?」
「今度さー」
「今度?」
「…いや。いいよ…」
「ふーん。おかしなヤツー」

今の会話…何か不自然だとおもわなかった?

田中さんの左隣の男子が話かけただけなんだけど何かを言おうとして断念したのがわかってもらえたかな?

それは田中さんの右隣の流川君が頬杖をついて田中さんと左隣の男子の様子を鋭い目で見てたからなんだよね。

まあ流川君が寝惚けてボーッとしてるだけかもしれないんだけど、体が大きい上にあの目つきで睨まれる様に見られるとやっぱり怖いよね。

少なくともさっき田中さんに話かけた男子は流川君の無言の圧力みたいなものにおされて黙ってしまったんだよね。きっと。

その様子を自分に重ねあわせる様に見ていた男子もいたみたい。

その証拠に流川君に睨まれた男子の回りに数人の男子が集まって慰めてたのが視界に入ってきた。

女子だけでなく男子にもいろんな意味で影響をあたえてる流川君は凄い人だと思う。
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