シルシ

□シルシ 10
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そして再び二人の様子をみる

「あーっ力みすぎっ。あと手がわりーな…」

(コイツの言う通り手が悪い。どうでもいいから早く帰れ…)

そう流川は思いながら指でボールをシュルシュルシュルと回しながら見ている

すると今度は高くジャンプするもゴールには入らない

「あっ今のイイ感じ!」

と凛が言い、ふと流川がボールを回してるのを見て

「あーっそれアタシ前からやってみたかったんだー」
と言うと流川は

「おめーは指がほせーからムリ」

と何か言っている二人を見つつ凛に言う


「ふぅーんそーゆもんなのかよ?しかしこの調子だと今日は出来ねーな」


ついに入ったレイアップを二人で喜んでいる様子に凛は苦笑いする

「…早く帰ればいーもんを」

流川がそう言うと

「まあたまにはいーじゃん。アタシら毎日やってんだし」


と流川を宥める様に言う

「そーいえばアンタんちこの公園から近いの?」

凛は前から気になっていた事を聞くと

「自転車で15分位」

「そーなんだ。アタシは歩いて10分位。意外とアタシら近いんだね」

するとスタスタと自転車に向かい乗り込むと振り向き凛に言う

「…乗れ」

(いつも唐突だなコイツは…)と思っていると

「送る。乗れ」

と荷台を親指で差す

「えー寝んなよー?」

と不審気に流川を見る

「……」

無言で凛を見る流川に

「自信ねーのかよ!…まあ歩くよりはマシか…」

と言い荷台に乗り込む

「安全運転でお願いしまーす」

凛のそんな声に

「おー」

と答え流川は自転車を出発させた
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