シルシ
□シルシ 2
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「ふーん。アタシは田中凛」
とぶっきらぼうに言い目で自分の席を探していると
「…ここみてー」
流川が自分の隣の席を指さした
(一番後ろか。寝やすそうな席だ。ん?何か忘れてる感じが…あっ!)
「アンタねーなんでアタシが入学早々足ひっかけられなくちゃなんねーんだよ!もう少しで恥かく所だったじゃん!温厚なアタシだったからよかったものの…」
と先程まで睨みつけていたとは思えない発言の後、席についた。
流川は凛が席についたのを頬杖をつき横目でみやり
「机が小せえから…」
とかろうじて聞こえる位の流川のセリフに凛は
(それは足が長いてゆう自慢か!しかし苦しい言い訳だな…)
と思ったが、入学早々目立つつもりもないので黙って前をみた
少しした後、扉が開き担任らしき中年の男性が入ってきて何やら説明していたのだが…
凛と流川はすでに夢の中だった
担任が
「そこの二人!」
と二人を注意した時… 流川がゆらーりと立ち上がり
「何人たりとも俺の眠りを妨げる奴は許さん!」
と暴れだした
周りは慌てて止めに入るも、寝惚けているのかまだ暴れている
だが凛は…寝ていた
ようやく目が覚めたのだが(うーん?なんかうるせーなぁ)
と騒ぎの方を見た
…何故か流川が暴れていた
流川同様寝起きの悪い凛は躊躇する事なく
「うるせーんだよ!」
と言い立ち上がり流川の頭をおもいっきり叩いた
叩かれて目覚めたのか、流川は嘘の様に大人しくなった
この事件?により二人の席が離れる事はなかったという…
そして入学早々しっかり目立ってしまった凛であった