シルシ

□シルシ 8
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翌日…

流川はすこぶる不機嫌だった

訳の分からない相手に喧嘩を売られた上に滅多にしない怪我はする…
しかもバスケが出来ない…
その上…流川は昨日の凛とのやりとりを思い返した

“流川様!暫しのお待ちを!”

あの時のオレに頼みこんでるアイツときたら…必死にオレを見つめる大きな瞳に一瞬引き込まれそうになった

…いやそれより問題はヤツの言う‘貸し’とやらだ

何を言い出すか分からない相手だけにさすがの流川も頭を抱えたくなった

そんな事を考えているといつの間にか教室についてしまった

ヤツは上機嫌で
「おは!気持ちのいい朝だね!」

と言ってきたので

「キモチワルイ…」

と流川が言うも、いつものヤツならキレる所が、今日は満面の笑みで

「うふふーっ」

と笑ってやがる
ヤツはその笑顔のまま言葉を続けた

「あのさー昨日寝ないで考えたんだけどさっ思いつかないんだなーこれが!」

流川が内心ホッとしたのも束の間

「でもそれじゃもったいないからアタシが使いたい時に使う事にした!」

その台詞に流川は呆然とした。流川自身中学の時の先輩に‘自己中心的’など散々言われていたが…

世の中上には上がいる事を流川はしみじみ思った
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