シルシ

□シルシ 6
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屋上を出た流川と凛は荷物を取りに教室へと向かった
まだ凛の腕を掴んだままの流川に

「逃げねーから腕外せ。痛てーんだよ!このバカ力!」

凛はそう言って流川の手をほどく

そして教室に到着し荷物を手にして外へと出た

下駄箱へと向かっている途中凛はまだ頭から少し血が出ている流川を横目見て

「で、アンタ歩き?チャリ?」

流川は凛の“チャリ”のセリフの時に微かに首を縦にした

「まあ歩きより早く行けるからいっか…」

流川の返事に凛はそう答えた

そして自転車置き場でまた一騒動あった

「ほれっチャリの鍵貸しな」と凛が言うと

「…なんで?」

という流川の問いに

「アタシがこぐから」

「なんで?」

おうむ返しの様な流川の台詞に凛は

「だーかーらーアタシが自転車をこぐの!何故ならアンタは怪我人だから!」

「ヤダ」

なんで女の後ろに乗らなければいけないのかと流川が思っていると、凛はいつの間にか流川の学ランのポケットから鍵を取り出していた

「スキありだね」

と凛が自慢気に鍵を流川に見せびらかせていると

「…ドロボー」

と流川が言う

それにキレた凛は

「問答無用!誰の為だと思ってんだよ!」

と言い流川を無理矢理自転車の荷台に乗せ出発させていた

「さーてっちゃっちやっと済まそうぜー」

など自転車をこぎながら一人喋っている凛の後頭部を見ながら
(女のクセにオレを乗せて普通にこいでるし…やっぱコイツといるとあきねー)
そう流川が思っている事など知る由もない凛であった
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