ダンボール戦機

□SS
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散歩中に休憩として立ち寄った公園でアキレスはずっと同じ場所に立ち尽くしていた。
「アキレス、そんな所に立ってないで座ったら?」
『いや、バン…『ジョーカー』を拾ったんだが…』
そう言ってアキレスは己の背中を指差す。
そこにはアキレスに抱き着いたジョーカーがいた。
マントに顔を押し付けているため、表情がわからない。
「どこのジョーカーだろう」
『それは…』
『ダイキ〜』
『…仙道の所じゃないか』
むしろ仙道以外居ないだろう。
ダイキという名でジョーカーを、しかもショタのを、使っているのはミソラ一中の仙道ダイキしか居ないだろう。
『どうしたんだ、ジョーカー』
『ダイキに置いてかれたぁ』
ジョーカーは火がついたように泣き出した。
『どうせ、ボクがダメな子だから…もうきっとダイキには必要ないんだ』
ジョーカーのまわりが暗くなる。
気のせいだろうか、キノコが見える。
『ジョーカー、そんなに思い詰めるな。仙道だってすぐに…』
『うわぁぁぁぁん、ダイキ、ダイキ、ダイキぃぃぃ』
困った。
これではもうどうしようも出来ない。
「ジョーカー!ここに居たのか!」
声のした方を見ると、息を切らした仙道ダイキが居た。
ジョーカーはアキレスのマントを離し、ダイキに駆け寄る。
『ダイキ…いい子にするから、いい子にするから棄てないで!』
ダイキは溜息をついて、ジョーカーの頭を撫でた。
「お前、馬鹿か。オレのLBXはお前だけだ」
ダイキの胸に顔を埋めていたジョーカーは顔を上げた。
『本当?ボクだけ?』
「ああ、ジョーカーだけだ。ほら、帰るぞ」


ダイキに着いて行ったジョーカーは公園を出る間際に振り返った。
『アキレスお兄ちゃん!またね』
手を振るジョーカーにアキレスは手を振り替えした。
「アキレス、もう帰ろうか」
『そうだな、バン』

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