Dream ]U

□いつか君を救えるように
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あの頃の俺達の世界。
そこそこ平和で、それなりに危険が満ちていた。
それなりと言っちゃ何だけど、俺はそのそれなりに危険が満ちていた世界で何回か死んだ事もある。
そんな俺を、何時も助けて悲しんでくれたのはお前だった。
お前が居たから、俺は生きていけた。
お前が居たから、俺は戦おうと思った。
そんな俺達の出会いは最悪で。
主に俺が、って話なんだけどさ。
俺、お前に散々嫌な思いさせてきたのに、お前は只笑っていた。
ずっと一緒に居てくれた。
初めてだったんだ、友達って呼べる奴に出会ったのは。
こんな俺でも、笑って許してくれるのはお前だけだよ。

お前が心臓病に掛かった時。
俺は自分が情けなくて仕方なかった。
何もしてやれなかったし、早く治ってくれって願うだけでさ。
そしてお前は、笑って戻ってきてくれたんだ。
その笑顔を見ているだけで、心底安心してしまうのは何故だろう。
セルとの戦いで、お前が死んで戻らないと言った時。
心にぽっかり穴が出来たみたいだった。
でも俺達は、前を向いて生きていかなきゃならないって。
お前が犠牲にしたもの全てをひっくるめて、俺達は生きていかなきゃいけないんだ。



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