Dream ]U
□覚束ない笑顔のまま君は僕の好きな歌を歌っていた。
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(―――…♪―――…♪)
(あれ…?この歌は確か…)
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「………………」
「…お、目ぇ覚めたか悟天?」
「あ、……父、さん?」
懐かしい歌が聴こえた。
この歌を聴いたのは、もう随分と昔。
あれは何時だったっけ。
そう思い出そうとしたら、暗かった視界が急に明るくなった。
ぼんやりとする瞼を押し上げると、目の前には父さんの笑った顔。
ほっと一つ溜め息を吐いて、枕の代わりを勤めてくれていた父さんの膝から頭を上げる。
「ごめん、寝ちゃったんだね俺」
「いいさ、気にすんな」
「でも、俺から組手しようって言ったのに」
「お前ぇも仕事で疲れてっだろ?いいから、甘えとけ」
まるで子供をあやすように、ぐしゃりと頭を撫でられた。
あの日と比べて、更に節榑立ってきた大きな手。
でも暖かさは変わらない、ずっとあの日のままだ。
「………今、懐かしい夢を見たんだ」
「夢?」
「そ。父さんと俺が、初めて会った日」
「あぁ、あの天下一武道会か」