Dream ]U

□「あなたが望むなら」
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生を受け、心の臓が当たり前のように鼓動を繰り返した。
そうして私達も、当たり前のように出会った訳で。



(お前のか細く小さな優しい声音を、漏らさず聴き取れるのは私だけ)

(お前の、激しくも暖かな愛を受け止められるのは私だけ)



私達は二人で一つ、無二の存在。
私が居て、お前が居る。
お前が居て、私が在る。






何時か、そんなに遠くない昔。
良く二人で絵空事を唱えたものだ。
私達は互いの眼になりたい、と。
お前の見る世界を知って、お前の見る私を見よう。
時が止まって、この世全てが死んでしまっても。
それでもお前を、見ていられるように。
けれども残酷な時は止まない。
きっとこの先も、何ら変わりなく流れては消えて行く。
その刹那の中に、私達は在り続けられるのだろうか。



「なぁ、長次」


「………さぁ、私には…図り兼ねる、な…」


「酷い奴だな。応と言ってくれよ」


「………………あぁ」


「うん」












共に行こう、共に居よう。
共に逝こう、共に在ろう。












「あなたが望むなら」

(私がお前の総てで在りますように)



















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