Dream ]T
□手の届く場所で笑っていてくれるなら、それだけで十分だった
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あの日。
………お父さんが死んでしまってから、今日で一ヶ月経った。
「はい、お母さん。お水汲んで来ました!」
「有難う、悟飯ちゃん。其処に置いといてけれ」
お母さんはお父さんが逝ってしまったと僕から聞くと、その日は一日部屋に閉じ籠って泣いていた。
僕のせいで、お母さんを泣かせてしまった。
僕のせいで、お父さんを死なせてしまった。
牛魔王お祖父ちゃんは、僕は悪くないって励ましてくれたけど………でも、僕は…。
「お母さん、他に何か手伝える事ないですか?何でもやりますよ!」
「もう大丈夫だべ!悟飯ちゃんは、本当に頼りになるだな」
「本当に?もう大丈夫?」
「勿論だべ!……なぁ、悟飯ちゃん」
「うん、何?」
「そっだら気ぃ遣う事ねぇだよ?」
「………お母さん…」
僕が罪悪感を感じていると、お母さんは気付いているみたいだった。
そのお母さんの言葉に、僕は何て返事をしたらいいか分からずそっと目を伏せる。