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第四章†護るということ
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「あっ!藍果様、おはようございます!」


朝食を食べ終え、藍果が廊下をひとりで歩いていると、騎士団の団服を着た青年にあいさつをされた。

「おはようございます」

笑顔でそう返すと、青年は少し顔を赤くさせ、一礼してから通りすぎていった。














あたしがこの世界・オーリウスに来てから、一週間が経ちました。


お城の人達にあたしが聖女だと公表した時は、城中が大騒ぎになって、本当に大変でした。

でも、一週間後の世界に公表する日迄は、そのことは最高機密ということで、絶対に他には口外しちゃいけないんだそうです。


それでも、お城の人も、守護者の皆さんもとても優しくて、毎日を楽しく過ごしています。




















「わぁ…、きれい」

今、藍果は城の敷地内にある薔薇園にいた。

軽い散歩にと、美しく咲き誇る、色とりどりの薔薇の花を見に来たのだ。

「んー、良い匂い」

ピンク色に輝く花びらに鼻を近付け、薔薇の持つ、特有の香りに酔いしれていた。

朝露を浴びて、微かに残る雫に太陽の光が反射するそれは、まるで花びら一枚一枚が輝いているかの様に思える程、気高い美しさを放っていた。







「薔薇に囲まれている君もとても綺麗だね」

「!!」


自分しかいないと思っていた藍果は、突然聞こえてきた中性的な声に大袈裟に驚いた。

「クスクス…。そんなに驚かないでよ」

「あ…!」


そこにいたのは














「カノンさん!」




以前、街で迷子になった藍果を助けてくれた青年・カノン=クロノスだった。



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