novel *Web拍手*
□アカツキ座の怪人(第2幕)
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#1
「まだ夢を見ているみたいだ……」
ドレスアップしたカガリの首もとに光り輝くのは2人の愛の証……
「夢じゃない」
抱き寄せて軽く触れるだけのキスをする。
今日は新しい年を祝う仮面舞踏会の日
「秘密の婚約、だな」
嬉しそうに顔を輝かせ、首からぶら下がっている婚約指輪を愛おしそうに握るカガリとは対照的に
「なんで秘密なんだ??」
俺は不機嫌を隠せない。
「まだ秘密にしてたいんだ…」
困った顔をするカガリの顎を掴み唇を軽く合わせる。
「婚約がなぜ悪いんだ??犯罪じゃないだろ??」
「そうじゃない…ただ…」
「ただ??」
益々困った顔をするカガリの腰を抱き寄せ、今度は深く口付ける。
「ん…は…私はお前の未来の花嫁になるんだ」
「……そうだな」
言い争いはやめよう、と俺は最後に軽く触れるだけのキスを送り、大広間へと足を進めた。
「わぁ…」
大広間へ入ればそこは別世界…ー
みんな仮面をつけて顔を隠し、新年を祝っている。
「全くめでたい」
「どうしたんだ??そんな手放しで新しい年を祝うなんて珍しいじゃないか」
階段脇でイザーク支配人がワインを片手に上機嫌だ。
「当たり前だ!!もう3ヶ月になる」
「何がだ??」
今ではイザーク支配人の隣が当たり前となったディアッカがストレートに疑問をぶつければ
「あいつ、A.Dからの手紙が来なくなって、だ!!」
「ああ…」
そう、あのアレックスが3ヶ月もカガリの前に姿を現していない。
「アスラン、踊らないか??」
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