novel *リクエスト*

□桜色に染まるまで 前編
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「こらっ!!カガリっ!!」

逃げる少女を追いかけながら、今日も俺は思う。

幸せだ…と。

この気持ちも少女と過ごす幸福な時間も、みんなみんな神様が与えてくれたモノ。

そしてそれは誰にでも平等だ。

「つかまえたっ!!」

「きゃぁ…」

照りつける太陽の光に負けないくらいに明るい金の髪をふりまきながら、少女は俺から逃げるように足をジタバタさせる。

柔らかい匂いが俺の鼻をかすめる。

まだ12歳の少女だが、その匂いや笑顔、そして容姿は俺を虜にする。

「アスラン…好きぃ…」

「俺も…俺もカガリが大好きだよ。」

好きなんて言葉の意味をカガリは知らない。

それでも、この瞬間が一番幸せなんだ。

そして今日もまた、少女と別れる。

「また明日なー!!」

少女に手を振り明日という未来を思い描いた。

でも、幸せな時間は長くは続かない。

神様はみんなに平等だから…。





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