novel *リクエスト*

□〜大奥〜 上
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「カガリ…無力な僕を…許して…」

カガリが産まれる前に父君である帝は亡くなられて、僕が帝位についた。

産まれてまもない幼い妹であるカガリの将来…

揺れ動く時代の流れには逆らえず、カガリを守るには僅か6歳のカガリをジュール家嫡男のイザークと婚約させるしかなかった。

幸いにも6歳だったカガリは従順で、婚約者の話を理解してイザークのお嫁さんになる!!と騒いでいただけだった。

そしてカガリも大人になり、イザークとの結婚に反対するようになった。

僕はカガリに恋しい人が出来たのかと尋ねると、

「イザーク様はカガリに仰いました。」

芯の強い真っ直ぐな瞳で僕を見据え、

「カガリは正室だが、側室も必要だと。」

「…カガリ」

まだ12歳のカガリには自分以外に女が必要だなんて理解出来ないんだろう。

「カガリにはイザーク様だけなのに、イザーク様はカガリ以外に女人が必要だなんて、不公平だ。」

「そうだね。でもね…」

僕はカガリの柔らかい金髪を撫でながら優しく諭した。

「僕達は男と女だから…。」

「男と女??」



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