novel *リクエスト*
□桜色に染まるまで 前編
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誰にでも平等に幸せはやってくる。
だから幸せは長くは続かないんだ…。
「ごめんなさいね…アスラン…。」
母さんの涙を初めて見た。
「…いつから??」
「手続きは全て済ませてあるわ。明日にでも…」
「…わかりました。」
父の事業が失敗して多額の借金が出来てしまい、父は返済の為、母はそんな父についていくと決めたそうだ。
だが、まだ15の俺は子供で、何も出来なくて…。
寄宿舎はお金がかかるので、俺は人里離れた神学校へ預けられた。
そこは神父になる為の学校で、完全寄宿制、わけありの子供達が預けられる。
しかも、奉仕の精神からか、お金は一切かからない。
ある意味、更正施設兼孤児院といったところだ。
だが、ある程度の条件もあるので、それをクリアしていないとまず入学は認められない。
それは金銭面と勉学。
この2点をクリアしていれば入学は認められる。
金銭面…つまりお金がないから子供を養えない…あるいはお金はあっても子供にかけられない理由がある…そんなところだ。
金銭面で問題のない俺は運がいいのか悪いのか、勉強は人並み以上に出来たのでそこに入学許可がおりたのだ。
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