きょうのごはんはなんにする?
★ジョジョの奇妙な冒険★
★PART5★
プロシュートのゴハン
『お待たせしました〜!鯖の味噌煮と、こちらは野菜の炊き合わせでーす!』
およそイタリアには似つかない料理の名前を、イタリアのど真ん中で口にした。
いつものテーブルを押しやり、足の短い机にチームメンバーたちはあぐらをかいて座ってる。
私はそこへ次々と日本の「おふくろの味」を運ぶ。皆は私の作る素朴な日本料理が大好きなんです。
「おーい!俺はミソニじゃなくてシオヤキのが食いてぇ!」
ホルマジオがお猪口に並々注がれた日本酒を飲み干して言った。
「うるせぇ!俺が頼んだんだよミソニは!」
ギアッチョは芋焼酎の入ったグラスにクラッシュアイスを放り込みながら叫んだ。
「あ、炊き合わせこっちにくれ。」
イルーゾォは土鍋からご飯をぎこちなくよそいながら自分の前に視線を落とした。
「う〜ん!やっぱり甘いダシマキタマゴ最高!」
メローネはふわふわのだし巻き卵に大根おろしを乗せて唸った。
「姉貴、こげてるー!」
ペッシがキッチンの七輪の前でサンマを指差して叫んだ。
「おいペッシ、アツカンにしろっつっただろうが!ぬるいぞ!」
プロシュートは徳利を掲げて文句を言った。
「「‥‥‥」」
ソルベとジェラートは二人仲良く蕎麦を啜った。
「‥うまい。」
リゾットは味噌汁を飲んで、真っ白いご飯の入った茶碗に手を伸ばした。
『皆沢山食べてね〜!』
私は綺麗な黄色の沢庵を一口大に切りながら、メンバーに笑顔で言った。
皆が皆、それぞれ「団欒の夕げ」を楽しんでいる様子を見て嬉しくなった私はどんどん皆にお酌した。
それが原因か‥時間が経つにつれ、普段口にしているワインやカクテルと質の違う日本の酒に、酒豪たちはバタバタと倒れ眠ってしまう‥。
いつしかダイニングはぐちゃぐちゃのまま、静かになった。
『あ〜ぁ、皆寝ちゃった‥。』
リビングのソファに横になる者もいれば、机に突っ伏す者、床に寝転ぶ者も‥。
私はデザートの芋羊羹を頬張りながら、全員にブランケットをかけて回った。
壁に凭れて眠る、密かに想いを寄せる彼‥プロシュートにもブランケットをかける。
しかしその瞬間、眠っているはずのプロシュートに腕を捕まれた。
『っ!?』
「‥来い。」
『わっ‥!』
そのままぐいっと引っ張られ、すっぽり彼の腕に収まる。
『プロシュート‥!』
「ん‥」
呼びかけても、彼は目を閉じたまま強く抱きしめ返すだけ。
大好きなプロシュートの苦い香水の香りに包まれて、心臓が爆発しそうに早く脈打つ。
『ど‥どうしよう‥プロシュートのいい匂い‥じゃなくて!だいぶ酔ってたみたいだし寝ぼけてるだけだっ‥!落ち着けわたし!』
プロシュートの美しい横顔と、すぐ近くで聞こえる艶っぽい寝息に私は軽くパニックに陥る。
でも彼の腕の中で身じろいでも、どうにもならない。
そのとき、私の首筋に、甘い痺れ。
―ちゅっ
『ひっ‥!』
「‥まだ食い足りねぇ」
『えっ、ちょ‥プロシュ‥んっ!』
あぁ、何これ。夢?
あんなに焦がれたプロシュートの唇が私に‥。
プロシュートの胸元に凭れて、よくわかんなくなって‥
とりあえず手に持っていた大好きな芋羊羹をひとくちかじったけど‥味はよくわからなかった。
Clear the Table!
affix his drowsy look‥
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