OTHERS
□PAST CLAP
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お嬢の頬に手を沿えると、ぴくんと肩を跳ねさせた彼女と目が合う。
『元親様‥!!手が冷えてございます!!』
慌てて俺の指先を掴み、温かい両手で包んで温めてくれる。
ほんの少し縁側に居ただけなのに‥秋の夜の風は冷たいものだ。
ぼんやりと心配そうな顔を見ながら考えて居たら、温かい掌が俺の冷えた頬へと伸ばされる。
『お顔もこんなに冷えて‥お体を壊してしまわれたらどうなさるおつもりですか!!』
心配しすぎて、ムキになり怒る姿を不謹慎にも愛しく思い、ゆったりとした動きで抱き締める。
『も‥元親様!!』
「ならば温めてくれ‥お嬢、お前の温もりでな。」
耳元で低く囁いた。
少し体を離し、優しく顎を持ち上げると、うっとりしたお嬢の顔。
俺は薄く笑みを浮かべて冷えた唇を温かな彼女の唇に押し当てる。
何度も何度も押し付けては離し、下唇を優しく食むように吸いあげる。
舌で唇をなぞってやると眉根を寄せて切ない表情。
俺に身を任せるようにもたれかかり、手を肩に置くお嬢の華奢な腰を力強く抱き締める。
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