OTHERS

□Kiss the Lion
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カァアと紅色に染まる色が聞こえる程に、お嬢の顔色が変化する。

自分の言葉一つですぐ紅くなるお嬢が愛しくて、慶次は思わずふっと笑みを溢す。


「お嬢は見ていて飽きないねぇ。」

『からかわないで下さい‥』


必死の抵抗とばかりに慶次の逞しい腕の中でもそもそともがく。

そんな弱々しい抵抗を慶次はお嬢の背中をぽんぽんと叩いてなだめる。


「からかってないさ。あんたが可愛くてしょうがないって意味なんだけどな。」

『もう‥慶次様‥』


唇を尖らせながらも、慶次の寝間着にぎゅっとしがみついて離れないお嬢。
慶次はおとなしくなったお嬢の額に口付けて、のそりと起き上がる。


『慶次様?』

「今日は暖かくなりそうだ。どこか遠乗りにでも行くかい?松風に乗りたがってただろう?」


慶次につられて起き上がったお嬢の頬を撫でて、優しい瞳で問掛ける。

お嬢はぱっと笑顔を咲かせると、嬉しそうに頷いた。


もう春は近いけれど。
寒い朝は二人で寄り添う。そうすれば、すぐに春はやってくる。




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