ジョジョ

□routine night
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瞬間。



―コンコンッ


「承太郎、お嬢ちゃん、居るかい?」


ドアをノックする音と、人当たりのいい旅の仲間…花京院の声が聞こえた。


絶妙なタイミングに、部屋の中の二人は至近距離で止まる。

お嬢は目を瞬かせて、承太郎は深いため息をついた。


「ちっ‥花京院のヤツ」

『‥‥』


承太郎は覆い被さったお嬢から離れ、長い学ランの裾を翻してドアの方へと歩いて行った。
お嬢も真っ赤になった頬を押さえながらベッドに座り直す。


「花京院‥どうした?」

「良かった、まだ二人とも起きてて!ほら、さっきジョースターさんと買い出しに行った時に買ってきたんだ。」


めんどくさそうにドアを開けた承太郎に、嬉しそうな顔をした花京院は、手に持ったバスケットを差し出す。
そこには沢山のさくらんぼが入っていた。


「美味しそうだろ?皆で食べようと思って!」

「花京院‥」

「お嬢ちゃん、さくらんぼは好きかい?」

『えっ!あ、うん、好きだよ。』


花京院はずかずかと二人の部屋に入ると、沢山のさくらんぼをベッドに座るお嬢にも見せた。

お嬢は花京院の後ろで不機嫌な表情をする承太郎に向かって困ったように笑いかける。


「じゃあ遠慮なく食べて」

『うん、ありがとう典明くん』


承太郎も仕方なく側の椅子に座ると、花京院は承太郎にもバスケットを差し出した。

3人は、甘酸っぱいさくらんぼを頬張りながら、旅の話や、家族の話をした。


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