ジョジョ

□雪がみたい
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『雪に触りたい…』


エンポリオの部屋でご機嫌に鼻歌を歌いながら、座っているウェザーリポートの帽子を触って遊んでいたお嬢が、唐突に呟いた。


「……?」


ウェザーリポートは不思議そうな表情で、自分の後ろに立っていたお嬢を振り向く。
彼女はニコリと微笑むと、訝しげな彼に説明を始めた。


『私、雪が大好きなの。今歌ってた歌は私の大好きなアーティストの冬歌。"雪"って歌詞がたくさん出てくるでしょ?』


彼の帽子を変わらず撫でながら、遠くを望むような瞳をしてお嬢は話す。


『冬の歌を歌うと雪に触りたくなるの。冷たくって、フワフワ…とっても気持ちいい。』


懐かしむようにお嬢が言うと、ウェザーリポートは立ち上がる。
お嬢はウェザーリポートを見上げて首を傾げた、彼は彼女の耳もとへ顔を近づける。


「雪なら…いくらでもやる。」

『…わぁぁ…』


いつも通り顔を近づけてぼそっ…とつぶやくと、彼の頭上から灰色の雲がもくもくと現れ、静かにフワフワと雪が舞い始めた。

ウェザーリポートが優しい仕草でお嬢を抱きしめると、2人の周りだけに真っ白い綿雪が漂った。


『すごい…ウェザー、ホントに雪だぁ…』

「…お嬢、寒くないか?」

『大丈夫。ふふっ…わぁ…フワフワ。冷たい…』


お嬢はウェザーリポートに抱きしめられたまま、彼の肩越しに見える雪に興奮気味。
顔にくっついた雪が雫になって、頬を伝う感触に嬉しそうに笑う。
ウェザーリポートも彼女の笑い声に頬を緩めると、雪の質感を変えたり、風を起こしてみたり…その度にきゃっきゃと喜ぶお嬢。


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