メロドラマ D

□夢の檻 前編
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―覚えていますか、玩具屋の前で幻燈を映した事がありましたよね。凄く綺麗で、、

枕行燈も消した褥にも、蒼白い月の光は密やかに忍び込む

月明かりに心地良さげに瞳を細め、ラビの腕を枕にしたアレンは夢みるように、懐かしい思い出を語りだす

繰り返し、繰り返し、幸福な時間をなぞるように。
そんな時のアレンは
ひどく幼く、幸せそうにみえる。

――なあ、アレン。お前が過去に囚われるのは、あの頃を、繰り返し懐かしむのは



アレンは幸せな夢に浸る。



お前が望むことは、俺はなんでも叶えてやろう

お前の幸せは、俺が守ってやろう


だから、どうか、


この暁の間は、アレンが幸せに眠る夢の檻

誰にも邪魔はさせない
奪わせはしない

ここは俺が作りあげた、

アレンの為の

閉ざされた
俺達だけの場所




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