歌舞伎でぐれいまん
□灰男由縁江戸桜ゆかりのえどざくらぷろろーぐ
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俺は
追い詰められていた
気付けば、いつしか街道沿いを抜け
出口のない路地裏を逃げまどい、
ついには四方を塀に囲まれた袋小路に追い詰められた
「これでヤツは袋の鼠!必ずや引っ捕えよ」
追っ手の怒声と、無数の足音が闇の中に迫ってくる
ちっ
ここは二、三人斬り伏せてでも突破するしか―――――
舌打ちし
身構えた時
お兄さん こっち――
すぐ近くから微かに声が聞こえた
こっち、此処から入って
繰り扉から延ばした腕に引きずられるように、身を屈ませて袋小路を抜けだすと
そこは、町屋の坪庭らしき所だった。