haco
□君が望むなら
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「先生…これは何ですか?」
「あ?授業に決まってるだろ。」
今日からおれの家庭教師になった渡辺充先生。
目元までかかった黒くて艶のある髪は、先生の素晴らしく整った顔に重なってとても綺麗だなと思った。
俺は男しか愛せない人種。
でもこれはあまりにも…
「…強引では?」
「気にするな。俺はお前に惚れてしているのだから、問題はない。」
「…え?」
どこを突っ込んでいいのやらわからない。
こんなごくごく普通の高校生を前にして教師がそんな事言っていいのかよ…
先生は俺をベットまで運び、目の前で仰向けにされいつ襲いかかってくるかのような怪しい微笑みを俺に向けた。
怖い。怖すぎる。
「いや、でも…先生?」
「なんだ。」
「性欲は男として当たり前だとは思いますが、生徒相手はどうかと…」
「…」
そりゃそうだ。きっと先生だって俺と同じ人種なんだ。だから都合の良い相手を目の前にして欲が抑えきれないのだ。
先生も人間だからな。うんうん。
「…本気で言ってるのか?」
「え?」
先生の顔が一気に暗く染まっていく。
さすがに失礼な事を言いすぎてしまった…
「すいません…先生。俺、言いすぎました。」
「…」
この人は怒らせてはいけない人だと
長年のカンでわかった。