都密、X'masの話
散歩に行こうか、そう誘って来たのは都筑だった
(「俺が暗いとこ苦手だって絶対忘れてるなコイツ…」)
真冬の午前2時、寒いのでマフラーと手袋をつけそしてそっと人間界へ行く
「…眩しい」
イルミネーションの灯りが静かに俺と都筑を照らしていた、X'masなのに真夜中だからか人通りはあまりいない
思わず目をスッと細める。都筑は鼻で笑い、すっと俺の目を隠す。片手で押さえられて、毛糸の手袋がモコモコする
「綺麗だろ?」
「ああ…、でも見えない」
「寒いだろうと思って」
視界から障害が消え、その代わりに頬に小さくキスが落とされる
(「…寒くないのに」)
顔が熱ってくるのが分かる、それを都筑自身に悟られないようにマフラーを鼻まで隠す
「恥ずかしかった?」
「バカなこと言うな」
いきなりかっこ良く見せられたって困る
「…おい」
だから
「………っ」
俺だってかっこ良くみせてやるよ、背伸びしてるのは見ないことにしてくれ
-終-
↓あとがき
X'masの話、のつもり