邑都

ある朝の話
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「都筑さん…」

だ、誰か…俺を…

「都筑さん…早く」

…邑輝か?って事は…またあの悪夢か?ぜってー起きねぇ…

「都筑さん…、早く起きて下さい」



…恐る恐る目を開けて見る、目の前には…いない。身体に力を込めて起き上がって部屋中を見回しても…やっぱりいない
「やっぱ夢だったのかー?」
それはそれで何か悲しいような嬉しいような(どっちだよ)
あ、仕事。アラームセットしたのに…、慌てて横に置いてある目覚まし時計を見た
「ん…?」
俺のじゃない、じゃあ誰のだ?
「都筑さん…、都筑さん…早く、都筑さん早く起きて下さい」
邑輝の声が…今、俺の手の中の目覚まし時計から聞こえた。驚いて時計を見回すと後ろの方に茶封筒が貼り付けてあって、綺麗な字でこう書かれていた


"都筑さんへ、
あまりにも可愛い寝顔だったので思わず写真を撮ってしまいました(笑)
夜のお供にしますね。都筑さんも私の写真、いりますか?
ああそうそう、貴方が朝早く起きられるようにと目覚まし時計に私の声を吹き込んだ物を置いておきました
良い朝が迎えられますよ、行ってらっしゃい都筑さん


邑輝"

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