都聖

赤頭巾
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「狼さ…ん」
赤ずきんを被った少年の頬を触ろうとした時に不意にとがった爪が当たったらしい。少年が小さく悲鳴を上げた
「ご、ごめん。大丈夫か…?」
「大丈夫だよ狼さん…」
スッと流れる赤い血。ごくりと唾を飲む
伸び切った爪は凶器。これで何百匹の動物を、人間を殺してきた
「…駄目だ、俺はお前を壊せないよ!」
「大丈夫だよ、狼さんなら」

お母さまから言われてた、狼がいる森には近付いちゃ駄目だって

「俺をあんたの手で壊して」

むかしむかし。あるところに、赤ずきんちゃんという女の子がいました
赤ずきんちゃんはおばあちゃんになりすました狼に食われてしまいました
狩人に助けられた赤ずきんちゃん。お腹に石を入れられた狼はその重さで井戸に落ちてしまいました



「俺のお母さまはあんたの父親を殺したようなものだから」
「…でもお前は悪くない」
「良いの…狼さん、早く俺を壊して」
「…ごめん」

狼に恋をした赤ずきん
人間に恋をした狼
二人に幸せは来なかった…
其処にあったのは、絶望という名の闇






-終-
↓あとがき
童話パロ初めてだ…、うわ…面影無さすぎ
 

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