都聖

*都筑眼鏡
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二人きりの部屋、お互い何も話さずにただぼんやりとしていた時、聖がぽつりと呟いた。
「都筑ってさ、眼鏡似合うよね。」
「…え、眼鏡?」
いきなり眼鏡が似合うと言われ、ポカーンと馬鹿みたいに口を半開きの都筑。現パートナーである聖とそっくりの密には「眼鏡掛けたら老けて見えるぞ」と言われていたのだから驚くのは分かるが…、
「そ、俺と初めて会った時さ、眼鏡に白衣だったじゃん。すごく似合ってたぜ?」
「そんな…、なんか照れるな。」
「眼鏡、もっかい掛けてよ」
聖の甘えた言い方に気を良くして都筑はごそごそと机の中をあさり、その眼鏡を見つけた。
「あったんだ、」
「自分でも気に入ってたんだよなー、これ。」
黒縁の伊達眼鏡。鼻の部分を軽く上へ持ち上げ、聖の方を向いた。途端、彼の顔が嬉しそうに歪む。
「似合う似合う、かっこいいよ都筑。」
「うわー、すごく嬉しいなぁ。」
彼の発言に思わずにやけてしまう。意識して引き締めた顔も残念なことになって。あーあ、と一つの溜め息、
「もうちょっとキリッとした表情の方が良いよ。ほらあんときみたいな」
「…こうか?」
もう一度顔を引き締め、ちらりと振り向きながら聖を見ると彼は突然お腹を押さえて。
「何で笑うんだよー」
「だ、だっていきなり真面目な顔されたから…はははっ」
爆笑し過ぎだ、少し恥ずかしいじゃないかぁと指をツンツンしていた都筑。しかしふと良いアイデアが浮かんだ

「…都筑?」




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