SLAMDUNK(ログ)

□勘違いから始まった恋
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最近、自主練する公園で面白いヤツと知り合った。





まず、こんな早朝から練習するってところからして他の奴らとちょっと違う。
富中の1年だというそいつは、いわゆる俺の後輩にあたる。入れ違いだから全く知らねぇが、こんなヤツがバスケ部に入ったんなら富中バスケ部の将来も安泰ってもんだ。
身長だって今はさほど高くはないが、中学の間にもっと伸びるだろう。俺がそうだったんだから。ひょろっこい体型もしだいに筋肉がついていく。心配そうにしてたから、俺の実体験を話してやると、心底ほっとしたようにヤツは笑った。


「そういや、今週末は翔陽となんですよね、試合」

「おう」

「いいなー、見に行きてーなー」

ヤツは、小さなガキみたいに頬を膨らませていった。

「どうせ見るならインターハイ出場が決まる試合を見に来いよ」

「まあ、そうですけど・・・」

まだ納得できないような顔をしてたけど。
本当にまだまだ試合は続くわけだし、別に無理して次の試合を見に来る必要もねぇ。俺たちの目標はインターハイ出場。そのためにはこれから1戦たりとも負けるつもりはねえんだよ。





ところが、翔陽戦当日。
ウォーミングアップしてたら、偶然ヤツを見つけた。
あいつだ。太郎だ。
見に来れねーとか言ってたくせに、ちゃっかり来てんじゃねーか。部活はどうした。まさかサボりか。
ちょっと先輩らしく注意してやろうと思って、後ろから腕を掴んだ。

「なんだ、お前、来てたのか」

「は?」

あれ、間違えたか?
いやいや、間違いなく太郎だろ。男の癖にちょっと目のデカイ。一度見たら忘れねぇ。

「来ねーとかいってたくせに」

「え?」

なんだこいつ。
そんなに驚く必要あるのか?もしかして誤魔化してるつもりか?部活サボって来たのが俺に見つかってあせってんのか?
別に怒りゃしねーっつーの。
なのに、なんでそんなによそよそしい態度すんだ。
いい加減腹立つぞ。

「まあいい。ちゃんと見てろよ」

面倒くせーやつだな。声かけて損した。
払うようにして手を離してやると、俺はすぐにヤツに背を向けチームメイトのもとに戻った。
背後で、ヤツがどんな顔をして俺を見てるのかも知らず。



のちに俺は、大きな勘違いをしていたことに気づく。
それが分かるのは、まだ先のことだけど。




主人公視点へ続く
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